種別 論文
主題 ASRモルタルバー膨張量に影響する要因に関する2、3の考察
副題
筆頭著者 小林茂敏(建設省土木研究所)
連名者1 小野金造(建設省土木研究所)
連名者2 河野広隆(建設省土木研究所)
連名者3 肥沼年光(飛島建設)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 205
末尾ページ 208
年度 1986
要旨 1.まえがき
 コンクリートのアルカリシリカ反応(以下ASRと略す)に影響する要因は種々あり、その反応機構、膨張機構の解明が急がれている。土木研究所ではASR判定試験法やASR抑制手法を確立するために、モルタルバー法を用いた各種試験を実施しており、既にその一部は報告している。
 モルタルバー法は骨材のASR反応性判定試験方法として重要な位置にあり、我が国でも独自の手法の確立が要望されている。このため、建設省ではこれまでの試験結果等を検討して、昭和60年度末までに、JISの試験器具等を用いたモルタルバー試験法の暫定案を作成している。これまでのモルタルバー法による調査から、ASTMのモルタルバー法をそのまま用いた場合には問題となるような次の点が明らかになっている。すなわち、(1)配合、特に単位モルタルあたりのアルカリ量がモルタルバーの膨張に大きく影響する、(2)等モルのアルカリであってもKとNaはモルタルバーの膨張量に異なった影響を及ぼす、(3)養生中の湿度の条件がモルタルバーの膨張に著しい影響を及ぼす、等である。これらの結果から、暫定案では、ASTM法と大きく異なる点としては、(1)に対しては、配合をW/C=50%、s/c=2.25に統一し、(2)に対してはセメントはJISに昭和60年に新設された低アルカリ形のものを用い、それにNaOHを加えてアルカリ量を1.2%とし、(3)に対しては養生方法の例を具体的に示す、等の改正を行っている。
 しかしながら、ASRについてはまだまだ不明の点も多く、例えば、ペシマムを有する骨材に対してはその存在を知る有効な手法がなく、現存のモルタルバー法では、試験本数を増やす以外にはその反応性を正確に把掘することは難しい等、解決すべき点が多い。このため、ASR試験法の精度を向上させ、かつ手法を簡易化し、また、有効なASR防止対策を設定するためには、ASRに対する種々の影響要因について調査しておくことが必要であり、ここではモルタルバー法を用いて行ったASRの影響要因に関する実験の結果を報告する。
4.まとめ
 今回の実験は、限られた条件で行われたものであるが、次のような知見が得られた。
(1)いずれの骨材についてもNaOHを添加した場合のほうがKOHの場合より膨張量が大きい。
(2)比較的アルカリ量の低いセメントを用いた場合でも、富配合になると膨張量は増加の傾向にあり、ASR対策にはコンクリート中のアルカリ総量はある値に抑える必要がある。
(3)空気量の膨張量への影響は骨材種や空気の状態によって異なる。
(4)ペシマムを有する骨打を用いた場合には、各種要因の膨張量への影響が異なってくると考えられる。
PDFファイル名 008-01-0052.pdf


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