種別 論文
主題 防水材のASR抑制効果に関する研究
副題
筆頭著者 小野紘一(鴻池組)
連名者1 金好昭彦(鴻池組)
連名者2 南川洋士雄(鴻池組)
連名者3 金光真作(鴻池組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 209
末尾ページ 212
年度 1986
要旨 1.まえがき
 アルカリ骨材反応によって被害を受けているコンクリート構造物の損傷程度は、反応性骨材の特性や含有率、コンクリート中のアルカリ量、部材特性等によって異なるようであり、同一条件のコンクリート構造物であっても、暴露条件によって被害の程度は異なるようである。例えば、写真-1の橋脚は、片側車線しか供用されておらず上部工のあるところは直射日光や雨水がそれはど当たらないが、上部工のないところは直接、日光や雨水に晒される状態となっており、この部分に比較的多くひびわれが発生している。また、アルカリ骨材反応の研究によれば、反応が進むためにはコンクリート外部からの水の補給が必要とも言われている。
 このような点から、反応が生じている構造物の被害を遅延させる一つの方法として、防水により水を遮断することが有効と考えられる。このような観点から、どのような防水材が反応遅延に有効であるかを摸索するため、実験室レベルの供試体に各種防水材を塗布して反応の進行度合を測定した。試験にはエポキシ、ポリウレタン、アクリルゴム系の全面シール型と、ポリマーセメントやシランモノマー系のコンクリート内部水は外部に出やすいが外部からの水の浸透が少ない通気型の防水材を用いた。
4.あとがき
 今回の試験結果は実験室レベルのオーダーであるがアルカリ骨析反応を防水によって抑制する場合には、コンクリート内部の水が外部に浸出できる、いわゆる通気型のポリマーセメント系やシランモノマー系が効果を発揮することがわかった。
 今回の実験は、無処理供試体の40℃、100%RHの9ケ月膨張量が4000×10-6にも達する過酷な条件で実施したため、実際の適用に当って、シール型やポリマーセメント系が直ちに、不適と判断するには早計であろう。
 この種の試験は、無処理供試体の膨張性状、供試体の寸法、防水の時期、曝露の方法や期間等が絡み合い複雑であるが、今後の研究の積み重ねが必要と思われる。また、実験室レベルで効果が確認された防水材の実構造物での検証も重要な課題であると思われる。
PDFファイル名 008-01-0053.pdf


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