種別 | 論文 |
主題 | スランプロス低減型流動化剤を用いた流動化コンクリートの基礎的性質 |
副題 | |
筆頭著者 | 西林新蔵(鳥取大学) |
連名者1 | 吉野公(鳥取大学) |
連名者2 | 伊藤浩二(村本建設) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 261 |
末尾ページ | 264 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.まえがき 流動化コンクリートは、新しいコンクリート技術として注目され、使用実績も急速に伸びているが、その特性を最大限に発揮させるためには、まだ解決されなければならない問題点がかなり残されている。その中でも特にスランプロスが大きいということは最大の問題である。一般に流動化剤の添加方法としては、流動化効果が優れていることとも相まって、べースコンクリートをアジテータトラックで工事現場まで運搬し、現場で流動化する、いわゆる後添加法で打われる場合が多い。しかし、この後添加法においては、添加後の攪拌の際に発生する生コン車の騒音・排ガスの問題、品質管理が複雑になるなどの問題が生じている。これらの問題を解決するひとつの方法として、最近スランプロス低減型流動化剤が開発され生産されるようになった。この種の流動化剤の性能が十分発揮されれば、生コンプラントでの流動化が可能となるが、その性質・性能などはまだ十分に把握されていない。本論文では、数種のスランプロス低減型流動化剤を用い、その添加量、添加時間およびベースコンクリートの細骨材率が流動化コンクリートの性質に及ぼす影響について実験的に検討した結果について述べる。 4.まとめ 本研究は、スランプロス低減型流動化剤の性質・性能を把握して、流動化コンクリートのスランプロス防止に役立つための基礎的な資料を得ることを目的として、主として流動化剤の添加量、添加時間および細骨材率の影響について実験的に検討した。以下に本研究で得られた主な結果を示し、まとめとする。 (1)添加量とスランプロスとの関係は、練り上り直後のスランプが同じであっても、添加量の多いものの方がスランプロスの低減効果が大きくなる傾向にある。しかし、ある限界量以上の流動化剤の添加はスランプロス低減に直接にはつながらないと思われる。 (2)流動化剤を有効に使用し、かつスランプロスを低減させるのに最も効果的な添加時間は練り混ぜ開始後60秒程度である。 (3)従来の流動化剤の場合より細骨材率を多少大きくとると、流動化が大きく、かつスランプロスも低減できる。 (4)流動化剤によっては、剤を添加することによってベースコンクリートの空気量が変化する場合があるので、このことを考慮してベースコンクリートの空気量を適当に定めることが必要である。 (5)圧縮強度は、流動化直後よりも60分後の方が大きく、流動化直後では流動化剤によってはベースコンクリートの強度の90%を下回るものがみられたが、60分後では強度的に問題はない。 |
PDFファイル名 | 008-01-0066.pdf |