種別 報告
主題 コンクリートの熱膨張係数に関する一考察
副題
筆頭著者 山川秀次(電力中央研究所)
連名者1 中内博司(間組)
連名者2 喜多達夫(間組)
連名者3 大沼博志(電力中央研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 313
末尾ページ 316
年度 1986
要旨 1.まえがき
 マスコンクリート構造物の温度応力発生メカニズムなどの基本的な現象については、ここ数年間の研究成果によりかなりの部分が明らかにされている。しかしながら、既往の大部分の研究例ではコンクリートの初期硬化過程における熱特性の時間依存性については、断熱温度上昇曲線を除けば、考慮していないのが現状といえる。
 マスコンクリート構造物の温度応力を解析的に推定する場合、コンクリートの初期硬化過程における熱膨張係数の時間依存性を考慮するか否かにより、コンクリート構造物に残留する温度応力の数値が変動し、1986年度よリコンクリート標準示方書に新しく導入されるマスコンクリート構造物の温度ひび割れ指数による評価をも変更させることになる。
 本報告は、コンクリートの初期硬化過程における熱膨張係数の時間依存性を明らかにするための前段として実施した熱膨張係数試験結果と熱膨張係数に関する既往の研究成果について考察を加えたものである。
5.終わりに
 コンクリートの熱膨張係数の時間依存性を含めた熱的性質について、既往の研究成果ならびに試験結果を含めた考察結果より以下に示す結論を得た。
1)比較的若材令におけるコンクリートの熱膨張係数の昇・降温過程における差異ならびに硬化過程(材令7日程度迄)における時間依存性の原因は、メカニズムとして同種のもので、コンクリートと歪計との熱膨張係数の差に起因して生じた応力により、コンクリートに塑性変形が生じ、この塑性歪成分を歪計が計測している可能性が強いものと考えられる。しかしながら、この種の現象については、データ数も少ないため他の計測方法を用いた実験により再確認する必要があるものと考えられる。
2)3.4の試験結果と円柱供試体による熱膨張試験結果の考察に基づき、材令7日程度経過したコンクリートを対象とした場合には、少なくとも現状で以下のことは言えるものと考えられる。最初の昇温過程に引き続く降温過程ならびに再昇温過程における熱膨張係数は一定値となる。但し、再昇温過程の最高温度は最初の昇温過程における最高温度未満とする。
 最後に、本研究の範囲では特に初期硬化過程における熱膨張係数の時間依存性に対して、定量的な評価が不十分であるため、他の計測方法による初期硬化過程を含めた熱膨張試験を実施しており、その結果が纏まり次第報告する予定である。
PDFファイル名 008-01-0079.pdf


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