種別 | 論文 |
主題 | 液体窒素により冷却されたコンクリートの基礎的性質 |
副題 | |
筆頭著者 | 十河茂幸(大林組) |
連名者1 | 中根淳(大林組) |
連名者2 | 浅井邦茂(大阪ガス) |
連名者3 | 直井彰秀(大阪ガス) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 329 |
末尾ページ | 332 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.まえがき マスコンクリート構造物や暑中に施工される構造物に発生する温度ひびわれの低減および強度発現の低下防止に、コンクリートのプレクーリングが効果的であることは周知のとおりである。しかしながら、プレクーリングを実施することは、大規模な設備と高い費用を要するため、大規模な工事においてもその実施例が少ないのが現状である.これに対して、液体窒素によるコンクリートのプレクーリング工法によると、液体窒素の供給と簡易な液体窒素の投入設備があるだけで、コンクリートのプレクーリングが可能となり、比較的小規模な工事においても実施でき、経済的メリットも大きい。 そこで、本研究では、練上ったコンクリートを液体窒素で直接冷却することを試み、冷却されたフレッシュコンクリートの性質、および硬化後のコンクリートの性質について実験的に調査し、この工法の有意性について検討を加えた。 4.まとめ 液体窒素によるコンクリートのプレクーリングを生コン車を用いて実験した結果、以下のことが明らかとなった。 (1)液体窒素を用いて、5m3のコンクリートの温度を10〜15℃低下させるのに要する時間は、約5分間である。 (2)冷却効率は約13kg/m3・℃で、この値は液体窒素の冷熱量の約42%である。 (3)冷却されたフレッシュコンクリートの性質は、スランプ、空気量、ブリージング量とも大きな変化はないが、流動化剤を使用した場合にスランプの低下が認められた。 (4)マス養生したコンクリートの強度は、冷却することによって冷却しない場合より約10〜20%増加する。 温度ひびわれの低減にコンクリートのプレクーリングは有効であり、液体窒素で冷却する工法はコンクリートの品質に影響を与えないで、短期間で、簡易な設備で、小規模な場合でも大規模工事の場合と同等のコストで実施できる効果的な方法であることが明らかになった。今後はさらに熱効率を向上させることを検討したい。 |
PDFファイル名 | 008-01-0083.pdf |