種別 | 論文 |
主題 | セメントペースト・モルタルの破壊靱性に及ぼす空隙率の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 大岸佐吉(名古屋工業大学) |
連名者1 | 小野博宣(中部大学) |
連名者2 | 棚橋勇(名古屋工業大学) |
連名者3 | 山田兼義(名古屋工業大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 345 |
末尾ページ | 348 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.まえがき 潜在的微小欠陥における応力集中に始まるき裂伝播過程において、構造体の破壊に至る脆性破壊の機構は材料力学的手法では評価され難いものであり、この破壊の評価方法として破壊靱性(Fracture toughness)が考えられている。Irwinらの理論において不均質性によるエネルギ吸収を限界ひずみエネルギー開放率Gcに含めて考えれば、コンクリート材料の破壊靱性も破壊力学的手法により評価できるとの考えをkaplanが提出して以来その適用性が種々検討されている。元来、破壊靱性パラメータ使われる線形破壊力学のGc限界応力拡大係数Kc、き裂先端開口変位CTODおよび非線形破壊力学の平面歪み破壊靱性Jc等は、均質等方性弾性材料に対して考慮されたものであり、き裂伝播過程でき裂の分岐を起こす不均質複合材料であるコンクリートに、これらを適用するいは吟味と補正が必要である。 本研究は、コンクリートの破壊機構を明らかにするための基礎的研究として、比較的不均一性が小さいセメントペーストとモルタルのKIC値に及ぼす空隙率の影響を、実験的に明らかにすることを目的とする。 5.結論 1)セメントペーストの空隙率0.4、1.6、12%と変化させた結果、KIC値はノッチ深さ比a/D=0.15〜0.5において一定値20.5、21.3、16.7N/mm3/2をとり、空隙率が大きいほどKIC値は低下する。モルタルも同様である。 2)ペーストとモルタルのKIC値は空隙率3.5%を境界に、式(4.1)と(4.2)の二直線で表示できる。 3)セメントペーストおよびモルタルの限界応力拡大係数KIC、曲げ・圧縮両強度σ0、σcおよびワイブル係数mは空隙率に対して、各々異なる固有の依存特性を示す。 4)ペーストおよびモルタルのKIC値は、脱気混合による脱泡の影響を受けない。しかし、空隙率3〜22%の範囲で空気量を増すほど径約7.5x104nm前後の気孔量の増加により、KIC値は低下する。 |
PDFファイル名 | 008-01-0087.pdf |