種別 | 論文 |
主題 | 反応遅延性アルミニウム粉末による膨張コンクリートの諸物性 |
副題 | |
筆頭著者 | 佐藤哲司(大林組) |
連名者1 | 小沢郁夫(大林組) |
連名者2 | 青木茂(大林組) |
連名者3 | 玉田信二(大林組) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 373 |
末尾ページ | 376 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.はじめに 逆巻工法は、既に打設されたコンクリートに下方よりコンクリートを打ち継ぐ工法で、その打継目処理工法として直接法、充填法、注入法のいずれかの工法が従来採用されてきた。直接法は、作業効率が良い反面、打ち込まれたコンクリートの主にブリージングに伴う沈下によって打継目が弱点となり易く、充填法や注入法による施工例が多い。これらの後処理工法の施工に際しては、足場や型枠などが必要であり、工期短縮、安全性及び打継目の信頼性などの観点から改善の余地を残していた。これに対して、逆巻コンクリートの打継目をより完全なものとする目的で直接法を膨張コンクリートで施工することが考えられる。この場合、アルミニウム粉末による反応を、コンクリート打設後に生じさせることが重要となる。 本報告は、逆巻打継目処理方法の信頼性を高めるために行った反応遅延性アルミニウム粉末を主体とする膨張剤を添加した膨張コンクリート、膨張剤に加えてブリージンク抑止剤を添加した膨張性ブリージング抑止コンクリートの基礎物性実験および実施工を想定した実物大逆巻実験の結果について述ベるものである。 4.まとめ 反応遅延性アルミニウム粉末を用いた膨張コンクリートの性状について以下にまとめる。 i)膨張コンクリートの膨張は、セメント種別、コンクリート温度及び養生温度等の影響を受けるため、実施工に際しては、現場の諸条件を考慮した試験練りを実施して膨張剤の添加量を決定することが望ましい。 ii)膨張コンクリートの膨張反応は、その効果初期に現れるもので、硬化後の基本物性は、十分な締固めと、拘束が与えられれば、普通コンクリートと同等である。 iii)打継目の止水性、曲げ強度などの品質は、アルミニウム粉末による膨張コンクリートによって改善され、さらにブリージングを抑制することによってより大きく改善される。 iv)反応遅延性アルミニウム粉末による膨張コンクリートの膨張圧は通常の使用範囲(膨張率1〜3%)で最大約2tf/m2であり、型枠計画上に考慮する必要はない。 本工法による膨張コンクリートは、既に地下構造物の一部として打設しており、その効果を確認することができた。 |
PDFファイル名 | 008-01-0094.pdf |