種別 論文
主題 GRCセメントを使用したガラス繊維補強セメントの力学的特性と耐久性
副題
筆頭著者 秋浜繁幸(鹿島建設)
連名者1 末永龍夫(鹿島建設)
連名者2 中川裕章(鹿島建設)
連名者3 藤井洋(日本電気硝子)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 417
末尾ページ 420
年度 1986
要旨 1.はじめに
 ガラス繊維補強セメント(以下GRCと略記)は、セメント系マトリックスの欠点であるぜい性的性質を改善した複合材として、カーテンウォールや内・外装材の薄肉プレキャスト部材として広く使用され始めている。
 GRC用の耐アルカリガラス繊稚は、1970年代の初めに英国ピルキントン社で商品化され、また同時にGRCの製造技術、工業生産方法の開発も行われることにより、GRCの建材としての用途開発が進められてきた。しかし、1979年に英国建築研究所によって発表された、GRCの10年間の自然暴露試験結果によると、耐アルカリガラス繊維を使用してもGRCはアルカリにより強度低下することが報告されている。
 そこで、本研究では、ガラス繊維の経年劣化を小さくするため、耐アルカリガラス繊維とセメント硬化体のpHが11〜12と低いセメント(以下GRCセメントと略す)を組合わせたGRC(以下新GRCと略す)の力学特性と耐久性を従来のGRCの性状と比較検討を行った結果について報告する。
4.まとめ
 新GRCの力学的特性と耐久性について実験を行った結果、以下の事項が明らかとなった。
a.80℃熱水に10日間浸漬した新GRC供試体の強度残存率は、浸漬前の80%に対し、GRC供試体は40%であった。
 なお、新GRC、GRCの浸漬10日後と浸漬前の曲げ比例限界強度は大差なかった。
b.新GRCの引張強度、引張比例限界強度の80℃熱水10日浸漬した場合の強度低下の傾向は、曲げ強度、曲げ比例限界強度と同様であったが、その割合は小さかった。また、引張特性は曲げ特性に比較しデーターの変動が大きく、供試体数、測定方法等の再検討が必要と思われる。
c.新GRCの長さ変化は、乾燥材令180日で3x10-4で、GRCの約5分の1の収縮率で小さいことがわかった。
 以上から新GRCの力学的特性、とくに耐久性は優れた性質を示した.今後、内外装材として広く利用されると考えられる。
PDFファイル名 008-01-0105.pdf


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