種別 | 論文 |
主題 | 鋼繊維補強オートクレーブ養生コンクリートの暴露試験 |
副題 | |
筆頭著者 | 福地利夫(日本大学) |
連名者1 | 渡沢正典(日本大学) |
連名者2 | 岡田教和(日本大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 441 |
末尾ページ | 444 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.はじめに 本文は、鋼繊維で補強したオートクレーブ養生コンクリート供試体(以下「SFRAC」という)の鋼繊維の腐食挙動を調べることを目的として行った暴露試験報告である。オートクレーブ養生硬化体の組織構造は、普通コンクリートに比較して、ち密性は高くなるが、pHは低くなるということが知られている。そこで、脆性改善に有効な鋼繊維が、前述のような性質のコンクリートで、どのような挙動を示すかが、本研究の主題である。暴露試験場は、海水中(JCI規準案の「区分B」)および大気中(同、「区分D」)である。暴露期間は、まだ3年と短いが、鋼繊維で補強した比較用の普通コンクリート(以「SFRC」という)と比べて、その腐食挙動に相違が生じはじめている。なお、鋼繊維の腐食程度は、従来、目視および写真による方法が用いられているが、本報告では、腐食の定量化を試みるている。 5.むすび 以上3年間の暴露試験結果を要約すると、つぎのようである。 (1)SFRACの鋼繊維の腐食は、海中に暴露した場合、始めの1年間は直線的に進行するが、その後の腐食は、極めて僅少になる。大気中に暴露した場合も、傾向は同様である。ただし、腐食量は、海中の場合よりも小で、時に1年以降は、腐食がほとんど進まない。この理由は、オートクレープ養生硬化体の特質から説明できる。すなわち、腐食の進行に対して、長期的には、pHの低下分が、そのち密性にカバーされたためと考えられる。 (2)SFRCの鋼繊維の腐食は、海中に暴露した場合、暴露期間が長くなるに従って、除々に進行し、3年目では、SFRACのそれを、やや上回る。大気中に暴露した場合も、傾向は、同様である。 (3)目視による鋼繊維の腐食は、SFRACおよびSFRC共、深さ約10mm以内で生じており、それ以上の深部では、認められない。これは、海中および大気暴露を問わず、同様である。 (4)くえん酸二アンモニウムによる腐食量の定量化は、目視との併用が望ましい。 (5)SFRACの暴露前のpHの実測値は11.0、SFRCは12.3である。環境区分(海中、大気の別)の相違によるpHへの影響は認められない。 (6)海中暴露によるSFRACの塩分含有量は、3箇月以降、ほとんど増加はみられない。しかしSFRCは、ほぼ直線的に増加する。 |
PDFファイル名 | 008-01-0111.pdf |