種別 | 論文 |
主題 | 高炉セメントを用いたR.C.D.コンクリートに関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 関慎吾(日本大学) |
連名者1 | 田原直樹(日本大学) |
連名者2 | 千秋学(日本大学) |
連名者3 | 小浜哲也(日本大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 457 |
末尾ページ | 460 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.はじめに ローラーコンパクテッドダム(以下R.C.D.と略記)コンクリートは、超貧配合の硬練りコンクリートを対象としたもので、ダンプ運搬から振動ローラー転圧までの標準的な一連の施工システムはR.C.D.工法として確立している。R.C.D.コンクリートの主な特徴の一つとして、単位結合材量を節減でき各種の産業副産物をセメント代替材として用いることによる水和熱の減少が挙げられる。ところが最近では、フライアッシュ等の一部の産業副産物において、窒素酸化物規制による石炭燃焼温度の制限などのためJIS規格に合致しない品質のものが増加しているという報告もあり、混和材の選択にも十分な留意が必要であるとされている。このような現状から、シリカフューム、高炉スラグといった産業副産物を有効に活用することがR.C.D.コンクリートの特徴を生かすうえで重要であると思われる。この観点より、特に高炉セメントはその約50%を高炉スラグで代替していることから、セメント量の削減や水和熱の減少をはじめ種々の特徴を有しており、R.C.D.コンクリートヘの適用が期待される。 そこで本研究では、結合材に高炉セメントを適用するとともに各種の混和材料を併用したR.C.D.コンクリートの配合及び強度特性について実験的に検討したものである。 8.結論 高炉セメントを用いて単位結合材量80〜120kg/m3の貧配合コンクリートを作製したところ、単位結合材量80kg/m3で135kgf/cm2の圧縮強度(材令91日)を得ることができた。また、高炉セメントの持つ特徴からR.C.D.コンクリートにおける単位セメント量の低減や水和熱の抑制に対しても有効であると思われ、経済的なR.C.D.コンクリートの結合材料として高炉セメントの積極的な利用が期待される。なお、本実験ではポゾラン材としてシリカフュームを10%まで使用したが数年来におけるシリカフューム価格の高騰は著しく、品質や使用量を誤るとコンクリートの経済牲を損ねることにもなるので、使用の際には十分な検討が必要であり、本研究により更に経済的で高品質な混和材料の開発の必要性も感じられた。 近年、省資源や自然環境保全が叫ばれて以来、コンクリート混和材として産業副産物の有効利用に関する検討が行われてきた。その中で高炉セメント鉄鋼部門におけるスラグ有効利用の堆進の立場から再認識され、価格も普通ポルトランドセメントに比べて安価(普通;13500円/t、高炉;12500円/t)なことからその利用分野も拡がっている。混和材の品質に対する関心が高まっている現在、省エネルギーとしての混合セメントの利用について、十分な検討がなされるべきであると考える。 |
PDFファイル名 | 008-01-0115.pdf |