種別 論文
主題 アクリルエマルジョンを添加した吹付けコンクリートの特性
副題
筆頭著者 藤田早利(奥村組)
連名者1 本田裕夫(奥村組)
連名者2 植田浩吉(奥村組)
連名者3 小林茂男(奥村組)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 469
末尾ページ 472
年度 1986
要旨 1.はじめに
 吹付けコンクリートはNATMの支保部材としてすぐれた支保機能を有している反面、施工時の粉じん発生による坑内環境の悪化が問題化されている。その対策として吹付けコンクリートに水溶性増粘剤を添加して紛じん発生を抑制する試みがなされているが、粉じんをかなり抑制し得る一方で保水性による強度低下や、凝結遅延によるはく落などの欠点が生じている。本報告はそれらの欠点を改善する見地からエマルジョンの状態では粘性を有さないが、セメントや急結剤などのアルカリ物質と接触して瞬時に粘性および曳糸性を発現するアクリルエマルジョンを添加することに着目し、現場実験により、粉じん抑制効果や施工性、強度等の物性について特性を把握し、有効性について検討を加えたものである。
5.まとめ
 アクリルエマルジョンを添加した吹付けコンクリートの特性について実験結果を要約すると以下のとおりである。
(1)アクリルエマルジョンを添加することにより吹付けコンクリート施工時の粉じん濃度を減少することができる。
(2)添加方式Iの方がIIよりも粉じん抑制効果が大きく50%程度粉じんを抑制する。
(3)添加率はセメント量の0.8〜1.2%までが最適であり、それ以上添加しても粉じん抑制効果はさほど増加しない。
(4)アクリルエマルジョンの添加により、吹付材料のはね返りも抑制する。
(5)はね返りの抑制に関しては添加方式IIがすぐれており、無添加に比べて1/2〜1/3にはね返りを抑制する。
(6)貧配合ほどはね返りの抑制効果が大きくなる傾向がうかがえる。
(7)アクリルエマルジョンの場合、増粘しても長期にわたる保水性を有さず凝結の遅延を伴わないため強度低下や吹付時のはく落などを生じない。
(8)アクリルエマルジョンを添加した場合のセメントや急結剤との反応機構、粉じん、はね返りの抑制機構については十分に解明するにはいたっておらず、今後の研究すべき課題である。
PDFファイル名 008-01-0118.pdf


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