種別 | 論文 |
主題 | 高温下の鉄筋コンクリート部材の挙動に与える軸力・鉄筋比の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 金津努(電力中央研究所) |
連名者1 | 青柳征夫(電力中央研究所) |
連名者2 | 遠藤達巳(電力中央研究所) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 553 |
末尾ページ | 556 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.まえがき 著者らは、原子力発電所の格納容器、炉心支持構造等、高温に曝される鉄筋コンクリート構造の設計法の確立を目的として、コンクリート材料および鉄筋コンクリート部材に関する実験研究を進めている。特に、材料物性的に変化が著しいと考えられる100℃を越える温度領域に着目し、最大500℃までの温度条件下で実験を行っている。これまでの研究結果から、100℃を越える温度領域では、鉄筋とコンクリート間の熱膨張ひずみの差が相当大きくなり、非拘束状態の鉄筋コンクリート部材では、温度上昇のみによりひびわれが発生すること、および昇温後載荷する場合には熱膨張ひずみの差が初期ひずみとして存在するため、これが載荷に伴う変形に大きく影響すること等を明らかにした。 本報告は、鉄筋コンクリート部村の鉄筋量の多少および軸圧縮力の大小が、部材の高温挙動に与える影響について実験的に明らかにしたものである。鉄筋コンクリート部材の実験は、鉄筋とコンクリート間の熱膨張ひずみ差の影響が顕著に現れる約200℃に温度条件を固定して実施した。 5.まとめ 高温下における鉄筋コンクリート梁の変形性状に与える鉄筋比および軸圧縮力の影響を実験的に検討した結果、本実験の範囲において以下に示す結論が得られた。 (1)鉄筋比の影響 i)非拘束状態にある鉄筋コンクリートはり部村では、昇温に伴う鉄筋とコンクリート間の熱膨張ひずみ差に起因するひびわれは、鉄筋比の大きい部材の方が低い温度上昇量で発生し、同じ温度上昇量では多くの本数が発生する。 ii)鉄筋比の大きい鉄筋コンクリートはり部材では、鉄筋とコンクリート間の熱膨張ひずみの差がモーメントと曲率の関係に与える影響は比較的小さい。これは、i)で述べたように、昇温時にひびれが多く発生し、この時点で鉄筋の圧縮ひずみが開放されるためである。 (2)軸圧縮力の影響 i)軸圧縮力が導入された鉄筋コンクリートはり部材では、昇温に伴ってコンクリートに乾燥収縮とクリープが複合された収縮が生じ変形挙動に大きく影響する。この高温・軸圧縮力作用下の収縮ひずみは、軸圧縮応力度に依存する。 ii)加熱前に軸圧縮力が導入された鉄筋コンクリートはり部材では、コンクリートの弾性係数の低下が軸圧縮力のない場合に比較して小さいので、初期曲げ剛性が大きくなる。 |
PDFファイル名 | 008-01-0139.pdf |