種別 論文
主題 新形式防波堤ケーソン用フーチング部材の力学的性状
副題
筆頭著者 横田弘(運輸省)
連名者1 清宮理(運輸省)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
8
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先頭ページ 621
末尾ページ 624
年度 1986
要旨 1.まえがき
 大水深海域に建設される防波堤では、波浪に対する滑動・転倒の安定性のほか、マウンドの許容支持力(端趾圧)に基づいて堤体寸法が決定されることが多い。従来の函形のケーソン構造を大水深海域に建設する場合、端趾圧を許容値以下とするには困難である。この問題の解決策として、ケーソン底部にフーチングを設け、堤体重量はそのままで接地面積を増大させる構造が考えられる。このフーチング構造では、フーチング長が長くなるため、フーチング部の強度保持の観点から各種の構造的工夫が行われている。この例として、バットレスフーチング及び箱形フーチングが提案されている。バットレスフーチングではフーチングに三角形のバットレスが取付けてあり、箱形フーチングではフーチング全体が台形の箱となっている。これらフーチングの設計は、3辺固定版あるいは4辺固定版として行われる。しかし、実際にはバットレス自体の変形あるいは箱形フーチング内部の壁の変形によりこれらの条件が満足されず、設計が危険側に行われる可能性がある。そこで本報告では、これらフーチング構造の力学的性状を調べるとともに、所定の端趾圧に対して規往の設計法がどの程度の安全率を与えるかを検討する目的で載荷実験を行ったので、その結果について述べる。
6.まとめ
 載荷実験から得られた主要な結論は以下のとおりである。
(1)バットレスフーチングの破壊形式は、バットレス部の鉄筋に添った付着割裂破壊であり、破壊もバットレス部材に限定された。箱形フーチンクではバットレスフーチングよりも耐荷力として7割程度大きく、構造的にも剛性が高かった。また、破壊形式は壁部での面内せん断破壊とフーチング取付け部でのコンクリートの圧縮破壊であった。
(2)両フーチング構造ともフーチング部での押抜きせん断は生じておらず、壁部分の破壊が進行していた。また、壁位置での変形が大きかった。設計で仮定している版周辺の固定条件が終局時付近では満足されていなかった。ケーソン本体の設計で、フーチングの押抜きせん断で構造の安全性を検討するとすればバットレス部の剛性をより高める必要がある。しかし、より合理的に設計するとすれば、フーチンク部及び壁部分の両者を考慮した計算法を用いる必要がある。
(3)マウンドの許容支持力から得られるフーチングに作用する荷重を今回の載荷実験での載荷荷重に換算すると約65tfとなった。この載荷重は終局耐力の25〜40%程度であり、フーチング全体のじん性からも十分安全であると言える。また、その際のひびわれ幅も0.2mm以内であり、許容端趾圧が作用した状態でもコンクリートのひびわれが起因する耐久性の問題はないものと考えられる。
PDFファイル名 008-01-0156.pdf


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