種別 論文
主題 錨板付基礎ボルトの静的破壊機構に関する実験的研究
副題
筆頭著者 中沢好夫(新日本製鋼)
連名者1 長谷川昭美(新日本製鋼)
連名者2 木下雅敬(新日本製鋼)
連名者3 本間宏二(新日本製鋼)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 625
末尾ページ 628
年度 1986
要旨 1.はじめに
 製鉄設備における機械設備、建築物は種々のアンカーボルトを介してコンクリートに定着されているが、一般に呼び径30以上のものが使用されている。図1に示すように支圧部の形状がねじ込み錨板タイプであるアンカーボルトを錨板付基礎ボルトと称しているが、そのうち呼び径20mm〜56mm(以下M20〜M56)を対象とし、コンクリート部分の静的破壊機構の解明を目的とした実験を行なった。建築学会の「各種アンカーボルト設計指針」ではM25以下の頭付きアンカーボルトについて設計法を示しており、その中でコンクリート部分のコーンは破壊によって決まる許容引張力及びアンカーボルト頭部に接するコンクリートの支庄強度から決まる許容引張力の算定式を与えている。しかしながら、対象とする錨板付基礎ボルトは、頭部の形状が頭付スタッドと異なりねじ込み錨板タイプであること、M25以上を対象とすることから、本指針によるコンクリートのコーンは破壊耐力推定式の適用性について検討する必要がある。そこで、M20〜M56の錨板付基礎ボルトについて実際に引抜試験を実施し、錨板径、ボルトサイズの影響による破壊性状の確認、及び終局耐力に及ぼす影響について考察を行なうものである。
4.まとめ
(1)コーン状破壊の破壊状況と終局耐力破壊状況はいずれのケースもコーン状の破壊面が発生したがコーン状破壊の破壊角度はボルトサイズ、錨板径に影響を受け、特に錨板径の大きい(4d程度以上)場合、破壊面が鉛直となす角は大きくなっている。終局耐力の推定については基礎ボルトのサイズがM56程度の大径でかつ錨板径が4d程度であっても
Pmax=√FcAc
で約±10%で推定可能である。また、終局耐力推定に割裂試験による引張強度σtを用いて
Pmax=0.93σtAc
と表すこともできる。
(2)支圧応力度と荷重変位関係
 コーン状破壊したコンクリート塊の支圧部分の観察結果と、基礎ボルト上端での荷重変位関係における降代荷重から、錨板上の支圧応力度σbと圧縮強度fcの比σb/fcの値が1〜2ではコンクリートの粉化はおこらず、σb/fcの値が2〜4で荷重変位関係が降伏点に達し、以後変形が増大しσb/fcの値が7以上で著しい粉化がおきていた。
(3)錨板応力から推定される支圧応力分布について
 錨板径が5d以内でかつ設計荷重範囲内であれば、錨板に作用する支圧応力分布は等分布と三角形分布の間で押えることができ、錨板の設計上は応力のばらつきを含め等分布荷重を用いれば良いと考える。
PDFファイル名 008-01-0157.pdf


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