種別 | 論文 |
主題 | FRPロッドを用いたプレストレストヨンクリートはりの曲げ性状に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 高木兼士(五洋建設) |
連名者1 | 内藤英晴(五洋建設) |
連名者2 | 佐藤善高(五洋建設) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 661 |
末尾ページ | 664 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.まえがき 近年、防食性に優れかつ高強度を有するFRP(Fiber Reinforced Plastic)をプレストレストコンクリート(PC)用緊張材として利用しようという気運が高まっている。PC鋼材の代りにFRPを用いた場合、(1)FRPの比重は鋼材の1/5〜1/6であり、部材の軽量化が図れる。(2)防食性に優れているため、腐食環境下においてもかぶりを大きくとる必要がない。(3)弾性係数の小さいFRPを用いると、応力損失が小さくて済む。といった利点がある。現在、FRPの実用化に向けて、FRPの力学的特性に関する研究およびFRP用緊張定着装置の開発が小林らによって進められている。しかし、FRPをPC部材に適用した場合の力学的性状については未だ明らかにされていない。本報告は、緊張材としてFRPロッドを用いたPCはりの曲げ試験をおこない、はりの曲げ性状を調査することにより、FRPのPC構造物への適用性について検討したものである。 4.まとめ 以上をまとめると次のようになる。 (1)六車らの提案したF値を用いた計算法によると、どのケースにおいても計算値が試験値を下回ってはいるものの、両者は概ね良く一致した。したがってF値による計算法はFRPを用いたPCはりの曲げ耐力算定においても、じゅうぶん実用に供し得るものである。 (2)アンボンドはりの曲げ労力は、ボンドはりの約93%に抵下した(この値は通常のPC鋼材を用いた場合の抵下率の範囲内にある)。したがって比較的表面の滑らかなFRPであっても、グラウトの膨張圧に伴う拘束によって、その付着効果を期待することができる。そこで実用上、アンボンドはりの耐力はボンドはりの値より30%小さいものとして良いという「PC示方書(土木学会)」の条文を、FRPを用いたPCはりにも適用してよいと考えられる。 (3)FRPの弾性係数は小さいため、FRPを用いたはりのひびわれ発生から破壊に至るまでの変形は大きく、大きな靱性を有していることが確認された。これはFRPのPC部材への適用性を示唆するものである。 |
PDFファイル名 | 008-01-0166.pdf |