種別 報告
主題 塑性理論による1層1スパン鉄筋コンクリート造耐震壁の終局強度
副題
筆頭著者 塩原等(建設省)
連名者1  
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
8
0
先頭ページ 693
末尾ページ 696
年度 1986
要旨 1.はじめに
 1970年代にはいって塑性理論と極限解析を利用して、鉄筋コンクリート部材のせん断設計を合理化する動きが起こり、ヨーロッパコンクリート委員会のモデルコードのせん断設計の条項には塑性理論の考え方が取り入れられている。1980年代には、適用の難しいとされるシアスパンの小さな部材の終局強度に応用する試みが提案され、シアスパンや軸力の効果が考慮できると報告されている。これらのマクロモデルによる理論は解析が簡単な代りに用いる仮定が多く、大胆な仮説が含まれるので、それらの仮説が合理的でしかも、実構造物とよく対応するかがモデル化の良否の鍵となっている。
 そこで、耐震壁の新しい解析モデルと、それに基づく実用的な終局強度の計算方法を提案する。このモデルで得られる強度はいわゆるせん断強度・曲げ強席の区別がない。その妥当性は(1)算定精度(2)ひび割れ状態や鉄筋の歪と解析モデルの対応によって確認する。コンクリートは十分な塑性変形能力のない材料であるため、鉄筋コンクリート部材への塑性理論の適用性について疑問視する向きもある。しかし建築物を対象とした場合、部材中の鉄筋は少なく、ほとんどの場合塑性を有する鋼材が降伏に達したあと強度に達するので、コンクリートに無限の塑性変形能力が必要なわけではない。ただしコンクリートの最大耐力後の下り勾配や、ひび割れによる二軸圧縮強度の低下を考慮するために、シリンダー試験でえられるコンクリートの圧縮強度を適当に低減する。コンクリートにひび割れが生してひび割れが解放する力を再分配することが可能な必要最小量の補強筋があるものを適用対象とする。
4.結び
 ストラットとタイによるトラス機構によって、鉄筋コンクリート平面板の面内のせん断力伝達機構を表し、極限解析の下界定理の条件を用いてストラットの形状を定めて強度を求める方法を鉄筋コンクリート耐震壁に適用した。計算による耐震壁の応力場の形状はひび割れとよく対応し、さらに強度の計算値は実験値と良好な対応を示した。理論の妥当性と適用性の限界についてはさらに詳しく検討して行く必要がある。
PDFファイル名 008-01-0174.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る