種別 論文
主題 鋼コンクリート合成構造のせん断耐荷機構
副題
筆頭著者 小沢一雅(東京大学)
連名者1 田中征登(日本鋼管)
連名者2 上田多門(東京大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 777
末尾ページ 780
年度 1986
要旨 1.まえがき
 近年、構造物の形状や施工条件等が複雑になるのに伴って、構造材料の適用に関する研究が進むと共に材料の特性を有効に利用する構造形式の開発、研究が盛んに行われつつある。その中でも、鋼板とコンクリートを組み合わせた構造部材、特に鋼製型枠を構造部材化した合成構造部材を床版や海洋構造物に適用しようとする研究、開発も活発に行われている。しかし、これらの合成構造に対する一般的な設計方法については確立されているとは言えない。本研究では、鋼板とコンクリートから構成される中空箱型構造物を取り挙げ、まずその壁および床の部分の部材としての曲げ及びせん断耐荷機構を明らかにすることを目的として実験的検討を行った。壁の部分は2枚の鋼板が適当な間隔で鋼ウェブで連結されており、その間にコンクリートがサンドウィッチされた構造形式(Aタイプ)である。また床の部分は、コンクリート打設等を考慮して上面は鋼板の代わりに鉄筋が配置されている(Bタイプ)。鋼板とコンクリートとの間には両者の合成度を増すためのずれ止めとして、また鋼板の型枠としての剛性を増すためのリブとして適当な間隔にL型鋼が部材軸直角方向に配置されている。
5.まとめ
 鋼板とコンクリートを用いた合成構造部材の曲げせん断試験を行い、本研究の範囲で得られた結論は以下の通りである。
(1)コンクリートの最大骨材寸法の違いによるひびわれ面での骨材のかみ合わせ効果の違いは斜めひびわれの発生に大きな影響を与える。
(2)曲げ耐荷機構については、リブ間隔が部材高さ程度以下であれば鉄筋コンクリートと同様にコンクリートの引張力を無視したはり理論の適用が可能である。
(3)せん断耐荷機構については、最大耐力時には載荷点と支点を結ぶコンクリートの圧縮ストラットと曲げ引張側鋼フランジの引張力によるタイドアーチ機構と鋼ウェブによって抵抗すると思われる。さらに本研究の範囲では、せん断耐力を鋼ウェブのせん断降伏耐力とコンクリートの斜め圧縮ストラットの圧壊で表されると仮定すると計算値と実験値は良い一致を見た。
 今後の課題としては、本解析モデルの妥当性及び適用範囲についてさらに検討を行う必要がある。
PDFファイル名 008-01-0195.pdf


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