種別 | 論文 |
主題 | ねじりを受ける縁ばりの曲げとせん断に対する耐力・靱性について |
副題 | |
筆頭著者 | 狩野芳一(明治大学) |
連名者1 | 鈴木茂(明治大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 789 |
末尾ページ | 792 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.はじめに 構造物に作用するねじりモーメントは、力の釣り合いを維持するために部材が抵抗しなければならない釣り合いねじりと不静定構造物で部材相互の連続性の条件から生ずる変形適合ねじりとがある。重力を対象とする設計ではねじりに対する取り扱いは釣り合いねじりのみを対象とし、変形適合ねじりの場合は無視することが認められている。耐震設計においても、Collinsや児島の研究結果を適用すれば、変形適合ねじりの場合、部材のねじれ耐力、曲げとせん断に対する耐力に関してはねじりの作用を無視できるものと考えてよい。しかし、耐震設計においては耐力と同時にじん性の確保が重要である。筆者らは、昨年、ねじれ振動をする建物の柱を想定した実験を行ない、変形適合ねじりの場合であっでも強制されるねじれ角が部材のじん性に影響し得ることを示したが、本報では、長期応力によって釣り合いねじりおよび変形適合ねじりの影響を常に受ける縁ばりを対象として部材実験を行ない、ねじりを受ける縁ばりの曲けとせん断に対する耐力およびじん性について検討を加えたものである。 5.まとめ 本報は、釣り合いねじりおよび変形適合ねじりを受ける縁ばりを対象として地震時を想定した部材実験を行ない、ねじりを受ける縁ばりの曲げとせん断に対する耐力及びじん性について検討を行なったものである。今後更に正負繰り返し荷重に対する検討を予定しているが、今回の実験で得られた結果を要約すると以下のようになる。 I)部材のねじれ剛性は曲げせん断力が増す過程で低下することを確認した。これにより、Fシリーズではねじれ角を一定値に拘束するとねじりモーメントが急速に減少した。従って、一般に、変形適合ねじりの場合、縁ばりのねじりモーメントは地震時に常時より更に低下することが期待できる。 II)Fシリーズの場合、既に変形適合ねじりについて認められているとおり、縁ばりの有力算定上ねじりの影響を無視することができた。 III)釣り合いねじりに比べて、変形適合ねじりでは、当初大きなねじりモーメントを経験した場合でも、降伏後大きなじん性を期待できる。しかし、ねじりが作用しない場合に比べればじん性の低下が認められた。 |
PDFファイル名 | 008-01-0198.pdf |