種別 論文
主題 水平力を受ける1層1スパン架構中のRC柱のせん断抵抗挙動に関する研究
副題
筆頭著者 六車熙(京都大学)
連名者1 渡辺史夫(京都大学)
連名者2 近藤実(日建設計)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 825
末尾ページ 828
年度 1986
要旨 1.序
 地震時に於いて繰り返し水平力を受ける架構の柱材は、長期軸力に加えて水平力の変化に伴う変動軸力を受ける。特に中高層建物の最外柱に放いては転倒モーメントにより大きな変動軸力が生じ場合によっては引っ張り軸力の生じる場合すらある。このような変動軸力下でのRC柱の力学挙動に関する研究としては、黒正ほか、狩野ほか、谷ほかおよび鈴木・青山による諸研究等があり、軸力変動が柱および架構の耐力及び復元力持牲に及ぼす影響が明らかにされつつある。しかしこれらの研究では、主として曲げ機構が注目されており、せん断抵抗機構に関しての考察が不十分である。
 RC柱が曲げモーメントとせん断力を同時に受けてせん断型の破壊に至る場合、その過程に於ける重要な限界点としてせん断ひび割れの発生がある。即ち、これを契機としてせん断補強筋が効果を発揮しはじめる訳で、曲げ破壊に於いて、曲げひび割れの発生後に主筋が効き始めるめと同様の意義を持っものである。柱軸力はこのせん断ひび割れ耐力に直接影響を及ぼす為、その変動がRC柱のせん断抵抗挙動に大きく影響するであろうことは容易に想像出来る。著者等の既往の研究により、せん断ひび割れ耐力、せん断補強筋の補強効果を評価する時軸力の変動を考慮すべきこと、高軸力時に付着割裂破壊が生じ易いことなどが判明している。本研究は1層1スパンの骨組模型を用いた水平力加力実験によりこれらの事実を確認しさらに変動軸力下でのRC柱の履歴復元力特性およびせん断抵抗機構を明らかにすることを目的としており、6体の架構模型に対する単調(2体)及び繰り返し(4体)載荷実験が行われた。
6.結論
 本研究により得られた結果を以下に述べる。
 せん断補強筋量が少ない場合及びせん断力と共に軸力が増大する場合には、骨材のかみ合い及び主筋のダウエル作用が大きくなり、ダウエル力の増大が付着割裂ひび割れの発生を助長しているものと考えられる。このような場合、せん断補強筋量の増大により、付着割裂せん断破壊を防止し安定した履歴復元力特性を得ることが出来る。さらに、最大軸力時に対応するせん断力に対して1式により、γ=1としてせん断補強しておけば少なくとも柱の曲げ降伏を保証出来ることが判明した。ただし、十分なじん牲を確保する為に、γを幾らにすべきかについては破壊モードとの絡みもあり今後の検討が必要である。
PDFファイル名 008-01-0207.pdf


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