種別 論文
主題 立体RCラーメン構造物におけるねじりモーメントの影響について
副題
筆頭著者 出雲淳一(東京大学)
連名者1 上田多門(東京大学)
連名者2 郭翠英(東京大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 829
末尾ページ 832
年度 1986
要旨 1.はじめに
 コンクリート構造物の設計において、ねじりが発生しないように、また発生しても曲げ、せん断に比べ、その影響が無視できる構造設計を行うのが原則である。しかし、立体的な構造物の場合、構造物の対称性が崩れることにより、構造物全体の変形の適合条件によってねじりが発生し、しかも部材の設計上その影響を無視できない場合もある。立体構造物の非対称性により、ねじりが発生する要因として、(1)設計での仮定と実際の構造物との条件が異なり柱まで土盛りがあり、実際の柱の最さが短くなる場合、(2)乾燥収縮、地震等により、構造物築造後一部の部材の剛性が低下する場合等が挙げられる。設計においては、もともと対称構造物なのに、予期せぬ理由により実際には非対称構造物になってねじりが発生する場合、その影響が構造物の使用状態、終局状態に悪影響を及ぼさぬよう留意する必要があると考えられる。
 本研究は、実際のRCラーメン高架構を想定し、構造物の非対称性によって生じるねじりの影響を調べるためにパーソナルコンピューターを用いてモデルシュミレーションを行うことにより、検討を行ったものである。
4.あとがき
 本研究により、立体的なRCラーメンの設計では予想しえずに生ずる構造的非対称性によって発生するねじりが、部材の設計において支配的なねじりモーメントとなり得ることを明らかにした。数少ないモデルシュミレーションであるが得られた結果を示すと以下の通りである。
(1)一部の部材の曲げ剛性が低下している場合には、本解析モデルでは、曲げ剛性が最も高い梁の曲げ剛性が低下した場合に最も大きいねじりモーメントが発生するものと考えられる。
(2)柱部材が短くなる場合には、短くなった柱部材にねじりモーメントが集中し、しかも短くなる程にその傾向は著しくなる。
(3)変形適合ねじりが部材に発生し、ねじり剛牲が低下しても他の部材に及ぼす影響は小さい。従って、変形適合ねじりは曲げ終局時の断面算定には無視しても差し支えないと考えられる。
(4)非線形解析から、柱部材が短くなる場合に、曲げ部材が終局状態に達する以前にねじりひびわれが発生するなど、部材の設計にねじりを無視できない場合もあることが確かめられた。
(5)非線形解析で得られる曲げ終局時の最大ねじりモーメントは、線形解析で得られるもめの約2倍に達する場合もあることが確かめられた。
PDFファイル名 008-01-0208.pdf


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