種別 報告
主題 外観調査結果から見た構造物の損傷形態の特徴
副題
筆頭著者 多田浩彦(建設省)
連名者1 小林筏敏(建設省)
連名者2 丹野弘(建設省)
連名者3 高橋弘人(建設省)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 845
末尾ページ 848
年度 1986
要旨 1.まえがき
 近年、塩害によるコンクリート構造物の損傷が東北日本海沿岸で多く見られるようになったため、昭和57年度に、海岸部に建設された横長15m以上のコンクリート橋に対して塩害による損傷状況の調査を行った。その結果、(1)塩害の発生が東北・北陸地方沿岸部のような海からの強い風を受ける地域や沖縄で顕著であること、(2)塩害の発生は、同一地域では海岸線からの距離との相関が大きく、波しぶきなどによって構造物に飛来する塩化物の量と関係が深いこと、等が判明した。
 また、これと平行して行われた損傷部分の補修を行っている構造物に対する詳細調査の結果からは、(1)塩害構造物に含まれる塩化物の量はコンクリートの各材料から混入すると考えられる塩化物(例えば、海秒中の塩化物)の量と比べてかなり多量に存在すること、(2)構造物内部における塩化物の濃度は、東南部ほど高く内部では減少していること、等が明らかになった。
 これらの調査結果から、現在発生している塩害による損傷は、主に波しぶきや海洋性大気中の含まれる海塩粒子等が外部から浸透し その結果塩化物が蓄積されたことによると考えられた。しかし、この調査も海岸線から500m以内にある道路橋の調査に限られていたので、海岸線から500m以上離れた内陸部の構造物や橋以外の構造物も含めて、材料中の塩化物や塩害等の損傷の関係についての調査をさらに追加して行った。以下はその結果について述べるものである。
 * 海洋性気象の影響範囲は、最大でも500m以内であると推定し、対象を海岸線から500m以内とした。
4.まとめ
 以上この調査結果をまとめると次のようになる。
(1)橋梁についての外観調査の結果、塩害と思われる損傷は、海岸線から500m以内に限られて発生していた。また部位ごとにみれば、上部構造では発生割合はかなり高いが下部構造ではその割合は小さい。
(2)橋梁下部構造では、コンクリート体積が大きいのでコンクリートの収縮(主として温度応力によるひびわれ)に起因する損傷が最も多く、この発生割合は、海からの距離には関係がなかった。
(3)水門には外見からそれとわかる塩害は発生しておらず、また、他の原因による損傷も非常に少なかった。
(4)護岸には、かぶり不足等に起因する比較的規模の小さい鉄筋の腐食や、コンクリートの収縮劣化によるひびわれ、不等沈下によるひびわれなどが、かなりの割合で発生しているが、塩害は発生していなかった。
(5)外観調査の結果損傷のあるものと無いものに分けて海砂の使用割合を調査した結果、両者には差がなく、横桁で約2割、橋台で約3割であった。
(6)コンクリート構造物中の塩化物量は全塩化物量でCL-換算0.6(kg/m3)を上回るものがかなりあり、特に海砂使用のものは、ほとんどがこの値を上回っていた。
(7)コアの中にあった鉄筋の腐食度を調査した範囲では、塩化物がほとんどなくとも鉄筋には点錆が発生してした。また、塩化物量が非常に多い(Cl-換算1.5(kg/m3)以上)ものは、鉄筋のかぶりが大きくとも錆(断面欠損はないが全面に広がる)が生じていた。
(8)海砂の使用と、コンクリートの中性化の進行速度とは特に相関はないようである。
PDFファイル名 008-02-0212.pdf


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