種別 | 報告 |
主題 | 東京湾沿岸のあるコンクリート構造物の塩害とその補修について |
副題 | |
筆頭著者 | 市川廣(東京ガス) |
連名者1 | 田渕博(東亜建設工業) |
連名者2 | 浅沼丈夫(東亜建設工業) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 849 |
末尾ページ | 852 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.はじめに 最近、海洋環境下あるいは海岸地域などで塩害によりコンクリート中の鋼材腐食が進行し、鉄筋コンクリート構造物の耐久性を著しく低下させているという報告が相次いでいる。この塩害による劣化は、放置しておけば時間とともに進行していくものであるから、日常の点検等で発見されしだい早急に対処しなくてはならない。しかしながら、現時点では、この劣化のチェック方法や対処方法等が確立されているとは言い難いため、その対応も遅れがちである。 このような状況下にあって、今回、東京湾治岸に位置する車道橋のコンクリートスラブの劣化調査を行なった。この調査から、劣化は塩害による鋼材腐食であり早急に補修が必要であろと考えられたので、この劣化したスラブに適した補修方法を選択するため各種の検討を進めた。本報告は、この調査結果と補修方法検討のために行った実験に関して述べるものである。 5.おわりに 今回実施した一連の調査実験は、部材の引張縁側の鉄筋が塩害による鋼材腐食を受け、部材耐力が低下した場合に関するものであった。その補修方法としては、部材耐力の復元性やひびわれ発生の抑制などから、E.P.C.及びP.P.C.による補修が比較的優れた方法として今回の実験結果からは考えられた。しかし、今回の実験は単なる静的載荷によるものであり、それぞれの補修方法の長期的安定性や疲労特性などに関しては今後の課題としていきたい。また、上述のように、補修の多くは部分的なものであるため、補修時には健全であると判断された部分でもそのままの状態では塩素イオンが浸入し、鋼材腐食を招く可能性が大きい。そのため、部分的に補修した後、塩素イオンの侵入を阻止するためにコンクリート全表面に遮塩性の優れた塗料を塗布するという方法がなされている。現在、この点からの研究も進めており、今後、今回の補修方法と共に塗装について考えていきたい。 |
PDFファイル名 | 008-02-0213.pdf |