種別 | 報告 |
主題 | し尿浄化槽におけるコンクリートの劣化調査報告 |
副題 | |
筆頭著者 | 田村博(日本建築総合試験所) |
連名者1 | 高橋利一(日本建築総合試験所) |
連名者2 | 斉藤広志(日本建築総合試験所) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 853 |
末尾ページ | 856 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.はじめに 今回、し尿浄化槽内部のコンクリートについて、目視観察および分析試験を実施し、その劣化状況を調査した。これまでこの種の報告例はほとんどないので、その調査結果をここに紹介する。 この構造物は、昭和51年8月に竣工され以後現在に至るまで補修工事は一切行なわれていない。コンクリート躯体面の仕上は各槽とも汚物(以下、液と呼ぶ)に浸る部分のみエポキシ樹脂防水材を塗布しており、他の部分は打ち放しである。し尿浄化槽の平面概要を図-1に示す。槽の損傷は、調査を実施した各層とも液に浸っていた部分ではコンクリートの損傷はほとんど認められないのに対し、液面より上部でコンクリートの劣化が認められ、特に生し尿投入受槽では、かぶりコンクリートが剥離し、鉄筋が露出している箇所もあるという状況であった。 4.おわりに 各槽ともエポキシ樹脂防水材を塗布した液下のコンクリートは健全であると判断されたが、液上の打放しコンクリートについては劣化が著しく、劣化した部分からは多量の硫黄成分および硫酸カルシウム水和物ならびにエトリンガイトが認められ、劣化の原因は、硫黄によるものと判断された。また、コンクリートが中性化していない部分では硫黄成分、硫酸カルシウム水和物やエトリンガイトがほとんど含まれておらず、健全なコンクリートとなっており、コンクリートの中性化試験がこの種のコンクリートの劣化状況の概略を杷握する上で、充分利用可能なことが判明した。 |
PDFファイル名 | 008-02-0214.pdf |