種別 | 報告 |
主題 | スラッジ等の産業廃棄物の再利用に関する一実験 |
副題 | |
筆頭著者 | 依田和久(芝浦工業大学) |
連名者1 | 十代田知三(芝浦工業大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 865 |
末尾ページ | 868 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.まえがき 近年の環境問題・省資源・省エネルギーの観点から、生コン工場から発生するスラッジや建築物解体時に発生するコンクリート塊に対して従来の単なる廃棄に代わる新しい処理方法が模索されてきた。スラッジ水についてはある程度まではコンクリートに添加しても問題はないとされているが、スラッジ発生量に比べて処理能力が小さい。そこで、スラッジ処理・再利用の一方法として、圧搾脱水したスラッジケーキを乾燥後粉砕し、高炉スラグと混合し、化学刺激剤を添加したセメント(以下再生セメントという)が開発された。コンクリート塊は粉砕して骨材(以下再生骨材という)として使用する規準がすでに提案されている。これら再利用の材料を用いたコンクリート(以下再生コンクリートという)を使用することができれば、一連の建設行為(建設−解体)にサイクルが完成し有効である。 本研究はこの再生セメント、再生骨材およびそれらを用いたコンクリートの基礎的性状を把握し、実用上の適用範囲を明らかにすることを目的とする。本報告は、まず基礎的段階としてワーカビリチー、強度、乾燥収縮などについて実験・検討したものである。 4.まとめ 水セメント比、単位水量、単位粗骨材量を一定としたコンクリートで比較した場合、次のようになった (1)ワーカビリチー 再生セメントを用いたコンクリートを普通セメントを用いたものと比べると、スランプ、フローが小さく、もったりとした様相を示しており分離抵抗性はよくなった。 再生粗骨材を用いたコンクリートを普通粗骨材Naを用いたものと比べると、スランプ、フローが小さくがさついた様相を示した。 したがって、再生セメントと再生粗骨材を用いた再生コンクリートは、骨材の短所をセメントの良所で補完するため、普通セメント、普通粗骨材を用いたものに比べ、ワーカビリチーは遜色ないものとなった。 (2)強度 再生セメントを用いたコンクリートの圧縮強度を普通セメントを用いたものと比べると、その強度比は1週では35%、4週では45%、13週では48%、26週では50%とわずかずつであるか材令に伴って向上した。 普通セメントを混合使用する場合、混合率と強度比との関係は、4週では直線的であるが、13週になると、25%再生セメントを混入したコンクリートは無混入のものに比べあまり低下せず、50%混入のもので10%しか低下しない。すなわち強度上、普通セメントとの混合使用が有利となる。しかし、この傾向は標準養生に限りみられ乾燥条件が含まれると曲線的となる。 なお、再生セメントを用いたモルタルの乾燥収縮は、普通セメントを用いた同一調合のものに比べ、大きかった。しかし、この差は普通セメントを混合したり、初期養生を注意することによって、ある程度押さえることができる。 以上、このような基礎的性状をもつ再生セメントや再生粗骨材は、適打適所に積極的に用いられることが望ましい。特に再生セメントは早強性がないものの、養生さえ良ければ、普通セメントを少しでも混入すると、相乗的効果がある。良質の再生粗骨材は低品質の普通粗骨材との差があまりないようである。 |
PDFファイル名 | 008-02-0217.pdf |