種別 論文
主題 フェロアロイスラグのコンクリート用粗骨材としての利用に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 杉田修一(八戸工業大学工学部)
連名者1 庄谷征美(八戸工業大学工学部)
連名者2 菅原隆(八戸工業高等専門学校)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 1
末尾ページ 6
年度 1987
要旨 1.まえがき
近年の我国におけるコンクリート用河川産天然骨材の枯渇の問題は、きわめて重大な問題となっている。細骨材および粗骨材の何れについても同様であり、この解決のために種々の方策が検討されている。砕石、砕砂および海砂等の自然産材料に依拠するもの、また、鉄の精錬過程から排出されるスラグの有効利用についても過去、多くの研究が蓄積、推進され、利用についての指針[4]も提示されいていることは周知の通りである。また、近年、コンクリート構造物の解体によって生ずるコンクリート廃棄物の量も年々多くなり、単なる廃棄物としてばかりでなく、有効利用の一環としてコンクリート用骨材として再生を計る研究も活発に行なわれている。
これら産業副産物の一つとしての非鉄金属の精錬時に排出される非鉄金属スラグをコンクリート用骨材として有効利用を計る研究が活発に行なわれるようになってきた。細骨材[2]および粗骨材の何れについても研究されているが、本論文においては、フェイアロイスラグとして、乾砕処理されたフェロクロムスラグ、風砕処理および乾砕処理されたフェロニッケルスラグを粗骨材として使用したコンクリートの物性について、短・長期的試験、凍結融解試験等を行なったので、その成果を取りまとめて報告する。

4.結論
以上の実験により得られた結論をまとめると次のようになるであろう。
1)使用した非鉄金属スラグの化学成分は、高炉スラグのそれと比較して、MgO、SiO2、T、Feは多く、CaOが少なく、Al2O3はフェロニッケルは少なく、フェロクロム多い。
2)使用したスラグの化学成分は、セメントの凝結時間に影響しない。
3)高水セメント比になるにしたがい、各スラグ間のブリージング特性に差が生じ、砕石に比べて何れも大きい。
4)圧縮強度は低水セメント比においては骨材間の差はあまりないが、高水セメント比においてはその差が明瞭である。さらに単位セメント量当たりの圧縮強度で比較すると、低水セメント比においても骨材間の格差があり、何れも砕石に比べて低い。
5)静弾性係数はフェロクリムが最も高く、R.C.示方書の規定とよく一致するが、他は約30%程度小さい。
6)凍結融解抵抗性は従来から、気泡間隔係数が250μm以下のAEコンクリートとすることにより耐久性が得られるといわれているが、本実験においてもほゞこれと同様の結論が得られ、このようなAEコンクリートとすることにより、非鉄金属スラグコンクリートの場合十分耐久的なコンクリートとすることができる。
7)使用したスラグの実用性については長期試験の結果を勘案し、判断すべきものと考える。
PDFファイル名 009-01-1001.pdf


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