種別 | 論文 |
主題 | 石炭灰系低吸水軽量骨材とこれを用いたコンクリートの基礎的性質について |
副題 | |
筆頭著者 | 南條毅一(宇部興産セメント技術センター) |
連名者1 | 米田俊一(宇部興産セメント技術センター) |
連名者2 | 吉岡保彦(竹中工務店技術研究所) |
連名者3 | 米澤敏男(竹中工務店技術研究所) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 1 |
先頭ページ | 19 |
末尾ページ | 24 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.まえがき 石炭火力発電ボイラーで燃焼後回収される石炭灰の有効利用の一環として、構造用人工軽量骨材(以下ALAと略記)への適用を検討し、低吸水型のALAを開発した[1][2]。石炭灰を原料とするALAの汎用品については既に市販品があり、その品質は従来の膨張頁岩を主原料とするものと比べ特に問題はないということが確認されている[3]。 試製ALAは、これらの従来品に比べて加圧吸水量が著しく少ないために、コンクリートのポンプ圧送性および凍結融解抵抗性の面のほか、強度の面においても優れた性能が期待できる。これから、本骨材は、極洋の油田開発用の海洋リグに使用する高強度軽量コンクリート用の骨材としての用途が考えられ、さらに、高層RC造ビル用などにも適用可能な骨材と考えられる。 本報告は、試製低吸水ALAの性質およびこの骨材を用いた軽量コンクリートの基礎的性質についての実験結果をとりまとめたものである。 4.結論 従来の人工軽量骨材に比べて著しく小さい吸水率を示す石炭灰系軽量粗骨材の性質とこれを用いたコンクリートの基礎的物性を2、3の在来品の場合と比較検討した。この結果、 (1)試製骨材の微構造は、表面殻部が非常に緻密で、在来品のように亀裂状の凹部および小開孔部が少ないことが特徴であり、これが吸水率が小さいことと関連している。 (2)試製骨材の表面には微細粒子が融着しているので、ザラザラしたテクスチャーを有する。このためコンクリートの単位水量が若干増加するが、モルタルマトリックスとの付着特性が優れているようであり、低水セメント比において非常に高い圧縮強度が得られる。 (3)骨材自体の強度およびみかけのヤング率は試製品が最も小さいが、コンクリートとしての強度および静弾性係数は逆に高い値を示す。 (4)凍結融解抵抗性は粗骨材の含水量の影響が大きく、本実験の範囲では、繰り返し回数200サイクル程度までは含水量5%以下の骨材の使用が有効であり、繰り返し回数が300サイクルになると極度に低い含水量においても耐久牲の低下がみられたが、これについては今後更に究明する必要がある。 |
PDFファイル名 | 009-01-1004.pdf |