種別 論文
主題 超微粉を用いた高強度セメントの硬化と破壊機構
副題
筆頭著者 芦田公伸(電気化学工業中央研究所)
連名者1 蓑巌(電気化学工業中央研究所)
連名者2 伏井康人(電気化学工業中央研究所)
連名者3 坂井悦郎(電気化学工業中央研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 39
末尾ページ 44
年度 1987
要旨 1.まえがき
超微粒子を用いた高強度セメントとして、Bacheの研究[1]は実用上興味あるものであり、DSP(Densified System containing homogeneously arranged ultra-fine Particles)材料と総称されている。これは、多量な分散材を組み合わせることにより、著しく小さな水粉体比で流動性の確保が可能となる。
このような低水粉体比における水硬性物質の水和については、既に報告した[2]が、超微粒子の種類や微細組織、さらには、それらの破壊機構との関連においては不明な部分も多い。
本研究においては、各種超微粒子を用いてDSP材料の物性を明らかにするとともに、シリカフュームを用いたDSP硬化体の相組成や微細組織と硬化体の破壊機構との関連について検討を加えた。

5.結論
以上の本研究により明らかになった知見は次の通りある。
(1)超微粒子の効果としては、粒径が細かい程、モルタルのフローが向上し、Thixotrpicな流動を示す。超微粒子の粒径は、数μm以下が好ましい。
(2)超微粒子としてのシリカフューム、フライアッシュ粉砕品、高炉スラグ粉砕品のうち、シリカフュームを用いたものが、初期強度が最も大きい。これは、シリカフュームの粒径(約0.1μm)による影響だけでなく、その非晶質シリカの含有量(90.7%)の多さにも影響を受けている。
(3)シリカフュームを超微粉として用いたDSP硬化体の相組成には、Ca(OH)2の生成が少なく、空隙は少ない。さらに、水和1年を経過したものでも、セメント粒子は表面層のみ反応し、粒子中央部にまで反応は進んでいない。従って、セメント粒子の大部分はインナーフィラーとして残存している。
(4)DSP硬化体は、トータル細孔量が少なくなり、より細かい細孔の方向へ動く。また、トータル細孔量の内で、閉気孔の割合が増加してる。
(5)DSP硬化体の破壊靭性K1cは、普通セメントのそれより、2〜3倍大きな値を示す。これは、セメント粒子の未反応部分がインナーフィラーとして残存していることと、かつ、水和した部分が非常に緻密であることによると思われる。
(6)ノッチ深さの供試体の厚みに対する比(a/D)は、DSP硬化体でも普通セメントと同様に、K1cの値に影響を及ぼす。ただし、a/D≧0.3の範囲では、K1cの値は、DSP硬化体でも普通セメントでも、ほぼ一定の値を示す。
PDFファイル名 009-01-1008.pdf


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