種別 論文
主題 微細ひびわれを有するコンクリートの透気性状
副題
筆頭著者 長瀧重義(東京工業大学工学部)
連名者1 氏家勲(宇都宮大学工学部)
連名者2 西岡耕一郎(宇都宮大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 187
末尾ページ 192
年度 1987
要旨 1.まえがき
海水淡水化装置、サイロ、原子炉関連構造物などのコンクリート構造物において、気密性は、耐荷力、耐久性に加えてその機能上重要な検討項目である。一方、近い将来の原子炉として開発が進められている高速増殖炉では熱交換媒体として3500℃〜5000℃の液体ナトリウムを使用するため、コンクリートは数百度の高温に曝される。そのような場合。コンクリート内部にはモルタルと骨材の熱膨張率の差により両者の界面近傍に微細ひびわれが発生することが報告されている[1]。また、既往の研究によるとコンクリート内部には、自己乾燥[2]、乾燥収縮[3]および外力の作用[4]によっても微細ひびわれが発生することが明らかにされている。この様な微細ひびわれは、コンクリートの気密性低下の要因となると考えられるが、そのような観点からのコンクリートの通気性に関する研究はほとんど行われていない。
そこで本研究はコンクリート内部の微細ひびわれがコンクリートの透気性に及ぼす影響を把握することを目的とし、特に高温および応力履歴を受けたコンクリート供試体を用いて通気試験を行った。さらにコンクリートの力学性状及びAEの計測を行い、その結果を用いて微細ひびわれを有するコンクリートの透気性状に検討を加えた。

4.結論
本研究は微細ひびわれを有するコンクリートの透気性状を明らかにすることを目的とし、温度履歴および応力履歴を変化させたコンクリートの透気試験を実施し、得られた透気係数に検討を加えた。本実験で得られた結果は以下のとおりである。
1)微細ひびわれを有するコンクリートに圧力差を与え空気を透過させた場合、コンクリート内部の圧力分布は微細ひびわれを有しないコンクリートと同じであり、同様に供試体出口における圧力勾配を用いることにより本実験条件の範囲においてはダルシ−則が適用できる。
2)微細ひびわれを有するコンクリートの透気係数は微細ひびわれを有しないコンクリートの透気係数と同じ式により算出でき、それにより得られた透気係数は温度および応力履歴の程度により一義的に定まる。
3)温度履歴を受けたコンクリートの透気係数は履歴温度が高くなるにつれて指数関数的に大きくなる。本実験の履歴温度の範囲において、履歴温度200℃以上での透気係数の増加は、水分の逸散に加えて微細ひびわれの影響が卓越する。
4)応力履歴より生じた微細ひびわれは履歴応力レベル80%以下では不連続なためコンクリートの透気係数に及ぼす影響は小さい。しかしながら、履歴応力レベル80%以上においては孤立していた微細ひびわれがつながるためコンクリートの透気係数は増大する。
PDFファイル名 009-01-1033.pdf


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