種別 論文
主題 コンクリートの耐硫酸塩性に及ぼすフライアッシュの影響
副題
筆頭著者 鳥居和之(金沢大学工学部)
連名者1 川村満紀(金沢大学工学部)
連名者2 谷口裕史(金沢大学大学院)
連名者3 伽場重正(石川工業高等専門学校)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 205
末尾ページ 210
年度 1987
要旨 1.まえがき
硫酸塩を含む溶液にコンクリートを長期間浸せきすると、コンクリート中に侵入した硫酸塩とセメントの水和反応生成物とが反応し、このためコンクリートに膨張性のひびわれが生じ、以後コンクリートの劣化が急速に進行する。このようなコンクリートの硫酸塩による劣化現象は、石膏およびエトリンガイトの生成が原因であるとされている。一方、コンクリートにおけるフライアッシュ、シリカヒュームなどのポゾラン材料の使用は、それらの水和反応の過程で遊離石灰の少ない密じつな内部組織が形成され、侵食性物質のコンクリート内部への浸透が大きく低減されることから、コンクリートの化学的抵抗性の改善に有効であるとされている1)
本研究は、硫酸ナトリウム溶液に長期間浸せきした普通およびフライアッシュ混入コンクリートの強度、動弾性係数および膨張量などの物理的諸性質の変化をコンクリート中に生成する反応生成物および内部組織の特徴との関係から調べることにより、コンクリートの耐硫酸塩性に及ぼすフライアッシュの役割について検討したものである。

4.結論
コンクリートの耐硫酸塩性に及ぼすフライアッシュの役割について検討した結果、比較的多量のフライアッシュを使用することによりコンクリートの耐硫酸塩性を大きく改善できることが明らかになった。本研究において得られた結果をまとめると次のようである。
(1)硫酸ナトリウム溶液に浸せきした普通コンクリートでは長期において強度が低下するが、フライアッシュ混入コンクリートではフライアッシュ置換率が大きくなると浸せき期間中でも強度が増大する。
(2)フライアッシュ混入コンクリートでは、単位結合材量およびフライアッシュ置換率が大きくなると硫酸イオンのコンクリート中への浸透性が大きく低下することから、劣化の原因となるエトリンガイトおよび石膏の生成量が減少する。
(3)コンクリートの耐硫酸塩性に及ぼすフライアッシュの役割は、遊離石灰の減少による耐侵食性の向上とともにポゾラン反応の過程で形成される毛細管空隙の減少や空隙の閉塞によって生じる微視的構造の変化と密接な関係がある。
PDFファイル名 009-01-1036.pdf


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