種別 | 論文 |
主題 | 軽量コンクリートの流動化に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 西林新蔵(鳥取大学工学部) |
連名者1 | 矢村潔(鳥取大学工学部) |
連名者2 | 吉野公(鳥取大学工学部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 1 |
先頭ページ | 241 |
末尾ページ | 246 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.まえがき コンクリート構造物の長大化、高層化に対して効果的に対処できる高強度で軽量なコンクリートについての研究は今までにも活発に行われ、すでに多くの有益な成果が発表されている。しかし、この種のコンクリートの実際の使用に当っては、施工性や経済牲の点で特殊な用途の域を出なかったが、最近、天然骨材の品質の低下と反応骨材の出現などの骨材問題が社会的に関心が持たれるようになったこと、架設地点の地盤条件の悪化の問題などから、軽量コンクリートに対する関心が再び高まってきている。一方、高性能減水剤を流動化剤として用いて製造される流動化コンクリートは、施工性の向上、品質の改善を図る目的で用いられるようになり、その使用実績も年々増加している。 軽量コンクリートを流動化することは施工性の改善を図る上で非常に有利な手段である。しかし、流動化軽量コンクリートを実用化するには、その配合設計をはじめ、フレッシュおよび硬化したコンクリートの諸性質について十分な検討を加えておかなければならないが、これらに関する資料はほとんどなく、実験データの蓄積が望まれている。 本論文では、軽量コンクリートを流動化し、その施工性を大幅に改善することを目的に、使用骨材、セメント量、細骨材率および流動化剤の種類等の要因が流動化軽量コンクリートの性質に及ぼす影響を実験的に検討した結果について述べる。 4.結論 本研究は、軽量コンクリートを流動化し、その施工性を改善することを目的として、使用骨材、細骨材率、セメント量および流動化剤の種類等の影響について実験的に検討した。以下に本研究で得られた結果を示し、結論とする。 (1)軽量コンクリートを流動化した場合、細骨材率によって流動化の程度あるいは流動化後のスランプロスが異なり、流動化剤の性能を十分に発揮させる細骨材率の範囲が存在する。また、この細骨材率の範囲は流動化剤のタイプの違いあるいは添加方法によって多少異なる。 (2)後添加型の流動化剤で60分後添加した場合には、細骨材率によらず流動化による空気量の変動は見られなかった。一方、スランプロス低減型流動化剤で同時添加した場合には、細骨材率によらず、流動化直後にベースコンクリートより1〜2%空気量が増加したが、60分後ではベースコンクリートと同程度の空気量となった。 (3)スランプロス低減型流動化剤で同時添加した場合、流動化直後のコンクリートでは、土木学会品質基準が示す強度比90%を下回るものがみられるが、流動化後60分におけるものおよび後添加したものでは強度面で問題はなかった。 (4)軽量流動化コンクリートと普通流動化コンクリートを比較すると、スランプ増大量は軽量の方が多少大きく、またスランプロスは普通骨材の方が多少小さくなった。VB値および締固め係数では、骨材の違いによる差はみられず、軽量コンクリートの流動化は、普通骨材コンクリートの流動化と同等の施工牲の改善が望める。 |
PDFファイル名 | 009-01-1042.pdf |