種別 論文
主題 型わく振動機を用いた軽量コンクリートの締固め施工と品質
副題
筆頭著者 川崎三十四(東海興業技術研究所)
連名者1 斉藤晋(東海興業技術研究所)
連名者2 田代郁夫(東海興業技術研究所)
連名者3 夏井千明(東海興業技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
9
1
先頭ページ 281
末尾ページ 286
年度 1987
要旨 1.まえがき
近年、軽量高周波型わく振動機が開発され労務削減、豆板等の発生防止、密実化向上を目的として使用されつつある。しかし型わく振動機による締固め施工コンクリートの品質研究は未だ少く、特に軽量コンクリートを対象とした研究はほとんど見られない。
本研究は軽量コンクリート構造物への型わく振動機使用法確立とコンクリート品質の解明を目的として行ったもので、振動加速度数と振幅、側圧、壁体の細粗骨材分布、空気量、透気性、圧縮強度、静弾性係数等の実態を明らかにし、今後の使用注意点と課題を提示した。また、一部に繊維布と先付タイル貼り型わくを用いコンクリート品質を検討した。

6.結論
本実験の結果を整理すれば下記のようである。(1)型わく振動機の周波数180、200、240Hzごとの振動加速度数の傾向は特定できず再検討を要する。(2)型わく振動機を縦単管に取付けた場合振動加速度数は振動機附近が3.5〜4G、真上1mが1.5〜2G、水平方向1mが0.6〜1G程度となる。従って振動加速度数の値(真上方向≒2×水平方向)から0.6〜1Gの加速度数を確保するには真上と真下方向が同等と推測すると振動機の設置問隔を水平2m、垂直。4mに施工計画を考える事が出来る。(3)型わく振動機の両振幅は加速度数2Gで約0.1mmである。これは予測値ともほぼ一致する。(4)加振時間の長いコンクリートの側圧はD試験体が最大3.6t/m2、J試験体が最大3.3t/m2となったがJASS5.1 1.6の予測式による値よりも小さい。(5)壁体内の細粗骨材分布は軽量1種コンクリートが壁体上段附近で比重の大きいセメント、普通細骨材が沈降し粗骨材が増加する傾向を示した。軽量2種は高さ方向の増減が少い。全搬的に調合表比の細粗骨材量は±20%程度以内であり、粗粒率も正常である。分析の困難さ、生コン内でのばらつきを考えると細粗骨材分布の欠陥は少い。(6)同じ加振方法であっても軽量1種と軽量2種コンクリートの壁体面の仕上りが異る。コンクリート調合によって周波数や加振時間などを変える必要性があり今後の課題となろう。(7)繊維布貼り型わくを用いた壁体面には気泡が全く発生しなかった。しかし約6ケ月後に亀甲状の微細ひび割れが発生し採用に当り注意を必要とする。(8)加振によって壁体内の空気は上部及び水平方向に移動し型わくなどの遮へい物がないと外部に放出する傾向がある。遮へい物がある場合は上部及び側面の表層部に空気が集まる。(9)繊維布貼り型わくを用いると壁体表層部の空気量が中心部より少くなり密実となる。これは簡易透気速度試験結果でも証明され、水と共に空気が流失している事を示している。(10)軽量1種コンクリートの締固めを棒形振動機で行ったものに比べ型わく振動機で行った方が簡易透気速度が小さく密実性が高い。特に、中性化を考えると型わく振動機の効力が発揮できると推察される。(11)圧縮強度は型わく振動機の加振時間を本実験のように、コンクリート打込み中2分、打込み後1分以内位であれば品質低下しない。これ以上の加振は骨材が軽量であるほど悪影響が出やすいようである。(12)静弾性係数は軽量1種コンクリートが堆定値よりも約10%低い値となったが、調合上のミスによるのか原因不明である。今後も検討を要するが全体的には加振による悪影響はないようである。ポアソン数は試験数も少ないが、欠陥は見られなかった。(13)先付タイル工法に型わく振動機を用いても接着上の欠陥は生じない結果が得られた。
PDFファイル名 009-01-1049.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る