種別 | 論文 |
主題 | 特殊な樹脂フィルムによるコンクリートの養生および保護 |
副題 | |
筆頭著者 | 大塩明(小野田セメントセメント研究所) |
連名者1 | 神保和巳(小野田セメントセメント研究所) |
連名者2 | 宮崎昇(小野田セメントセメント研究所) |
連名者3 | 城国省二(株式会社オーテック開発部) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 1 |
先頭ページ | 293 |
末尾ページ | 298 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.まえがき 一般の建設工事において、コンクリートが初期材令に乾燥状態に晒されると、その諸特性に大きく影響を及ぼし、コンクリートの性能を低下させる。しかし、実際の工事で長期間型枠を存置したり、湿潤養生を続けることは難しい。そのため、コンクリート構造物はかなり初期のうちから外部環境の影響を直接受けることになる。また、施工後のコンクリートの耐久性を向上させる目的で塗料や耐食牲被膜等でコンクリートを被覆したり、あるいは含浸処理等をすることが試みられているが、吸水他のある多孔質なコンクリート表面にピンホール等のない完全な被膜を形成することは困難である。 そこで、以上のような欠点を解消するために筆者らは次のようなコンクリートの養生および保護方法を検討した。その最大のポイントは特殊な樹脂フィルムを鋼製型枠の内面に塗布し、ピンホールのない連続した被膜を形成させた後、コンクリートを打設して、型枠の取りはずしと同時に被膜をコンクリート表面に反転させるものである。 5.結論 本研究では特殊樹脂フィルムの特性に着目し、各種の実験を行い次のような結論を得た。 1)本研究による方法では、特殊塗料の弱い付着力を利用し、型枠の内面に塗布した被膜をコンクリート表面にピンホールの無い連続的な被膜として形成することが出来る。コンクリート表面に形成された被膜はその優れた特性により、後から塗った場合に比較して非常に劣化しにくい。 2)コンクリートの表面に被膜を形成することによって、乾燥状態におけるモルタルおよびコンクリートの強度および弾性孫数の低下をかなり防ぐことができ、さらに、クリープ乾操収縮を低減し、拘束ひびわれを少なくすることができる。 3)被膜の形成により凍結融解、吸水、透水、塩素イオン浸透に対する抵抗牲を著しく改善することができる。特に被膜とポリマーセメントモルタルによってコンクリートを保護した場合は厳して環境において有効であると考えられる。 4)本研究による方法では型枠内面に被膜を形成することによって、型枠からの漏水を防ぎ、均一なコンクリートを造り、脱型と同時にコンクリート表面に被膜を形成することができるので、材令初期からコンクリートに欠陥が生じることを防ぎ、優れた耐久性を提供するものと考えられる。 |
PDFファイル名 | 009-01-1051.pdf |