種別 | 論文 |
主題 | コンクリートの品質特性に及ぼす脱型時期の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 浦憲親(金沢工業大学) |
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キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 1 |
先頭ページ | 299 |
末尾ページ | 304 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.はじめに 日本海沿岸地方の気象の特徴は、天候の変わりやすさである。曇り空が急に晴れたり、一転して雨になったりする。気温の日較差も大きい。このような地方におけるコンクリート工事は、打ち込みはもとより、その後の養生及び型わくの脱型には、とくに注意が必要である。 石川県金沢市は、前述のような気象条件下にあり、平年の気象は1)、気温l4.0℃、相対湿度76%、日降水量10mm以上が87日を数える。 本論文は、気象変化の著しい日本海沿岸地方のコンクリート工事において、型わくの脱型時期2)3)4)が、その耐久性に如何なる影響を及ぼすのかを定量的に把握することを最終目標として行なった基礎的実験結果である。 4.結論 日本海沿岸の平年の気象に近い環境条件下で実施した、脱型時間の異なるコンクリート実験の結果をまとめると次の様になる。 1)細孔量は、供試体の表面ほど多く、脱型時間が遅くなると減少し、細孔径の分布及び最大値は細孔半径の小さい方へと移る。また、細孔半径240Å以上において、細孔量と重量減少率、中性化率、動弾性係数、圧縮強度及び超音波伝播速度とは比例関係を示すが、240Å未満とでは全く示さない。 2)中性化は、脱型時間が早く、試験材令の遅い程大きくなるが、少なくとも144時間以上保護を行なえは材令初期での脱型が部材に及ぼす影響は小さくなる。中性化率は、重量減少率、動弾性係数、圧縮強度、超音波伝播速度及び総細孔量とは密接な関係を示す。 3)年数を経過したコンクリートの性質をより精度よく推定するには、脱型時間について更に検討する必要がある。超音波伝播速度は、重量減少率、中性化率及び総細孔量と密接な関係を持つことから、資料を蓄積すれば実用的で簡便な方法として十分適用できるものといえる。しかし、静弾性係数は、養生中の乾燥の影響を受けやすく、測定の目安に使うことは危険である。 |
PDFファイル名 | 009-01-1052.pdf |