種別 論文
主題 オートクレーブによる海砂コンクリート中の各種棒鋼の腐食に関する研究
副題
筆頭著者 枝広英俊(芝浦工業大学)
連名者1 依田彰彦(足利工業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 357
末尾ページ 362
年度 1987
要旨 1.まえがき
コンクリート中の補強用棒鋼は、塩化物イオンの含有量が所定量を曲えると腐食が促進し、場合によっては鉄筋コンクリート構造物の耐久性を著しく失わさせる。そのため、総量規制の導入や計測技術の向上及び管理体制の確立などが実施または検討されている。しかし、十分除塩されていない海砂を用いたコンクリート中の鉄筋の腐食性状は、必ずしも十分明らかになっていないのが現状で、塩化物イオン総量のみならず、鉄筋の種類やそれが置かれる条件によって少なからず差異を生じ、促進試験方法も含めて多角度からの検討が望まれている。
そこで本研究では、昨年[2]及び一昨年[1]に報告した腐食と防食などの研究に引き続き、オートクレーブによる腐食の促進試験と屋外自然暴露試験を行い、水セメント比やスランプの違いによる影響や、鉄筋の種類・銘柄及び配筋状態の違いによる差異を明確にする目的で、塩化物イオン総量の異なる各種コンクリート中の鉄筋の発錆面積率を求め、比較・検討した。
なお、本実験では、水セメント比を既報[1]、[2]で2種類であったものを5種類とし、スランプを同じく1種類であったものを3種類として、より定量的に究明した。さらに、鉄筋は無作為に銘柄の異なるSR24の黒皮鉄筋を3程類、SRD3のみがき棒鋼を2種類選定し比較に供した。

5.まとめ
本実験研究では、実際の海砂を用いたコンクリートの塩化物イオン総量を変え、オートクレーブによる促進試験を行い、水セメント比やスランプ及び鉄筋の種類・銘柄などが腐食に及ぼす影響を検討し、以下の事柄を新たに確認した。(1)塩化物イオン含有量やサイクル数の影響は大きく面積・深さとも増大し、5サイクルでは腐食深さの進行が著しい。(2)水セメント比による影響は、縦筋と横筋で性状が若干異なるが、50%以下ではかなり抑制できる。(3)スランプによる差異は少ないが、塩化物イオン総量と締固めの影響を若干受ける。(4)鉄筋の種類・銘柄の違いによって各元素量や黒皮皮膜の組織などが異なり、若干の差異を生じる。(5)炭酸ガスによる促進試験を併用して行うことも、幾分長期間を要するが有効な促進試験方法と考えられる。
PDFファイル名 009-01-1063.pdf


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