種別 | 論文 |
主題 | コンクリート細孔溶液中の各種イオンの塩分環境下における挙動 |
副題 | |
筆頭著者 | 松岡康訓(大成建設技術研究所) |
連名者1 | 内藤隆史(大成建設技術研究所) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 1 |
先頭ページ | 363 |
末尾ページ | 368 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.はじめに 近年、塩分に起因した鉄筋の腐食並びにアルカリ骨材反応に代表されるコンクリート構造物の早期劣化が問題となって来ているが、これらの原因ならびにメカニズムを明らかにするための方法として、コンクリート中の細孔溶液を対象とした化学的な研究が、新しい試みとして行われるようになって来た[1,2]。セメント固有のあるいは外部から浸透した物質によって起こる反応はいすれも液相における反応が主であると仮定するならば、この方法は各種の現象の解明に対して優れた方法を提供してくれると考えられ、今後の発展が期持される。 本研究は、以上の背景のもとに、塩分環境が普通コンクリート及びシリカフューム混入コンクリートの細孔溶液に及ぼす影響を明らかにすることを目的として行ったもので、3種類の養生条件に対して検討した。 4.結論 本試験によって得られた結果は以下に示す通りである。 (1)モルタルの細孔溶液中においてイオンは化学的にバランスしている。 (2)本試験で使用した普通セメントの場合(C3A=10.1%)、練り混ぜ時に存在する塩分は材令1〜10日までに、最大固定塩分量の約90%が固定されている。 (3)シリカフュームを混入して塩分を含まない場合、細孔溶液中のOH-イオン濃度が材令の経過と共に減少する。特に、材令28日までの低下が大きい。 (4)シリカフュームを混入すると塩分の固定能力が低下する。 (5)シリカフューム混入セメントにCaCl2を添加すると、細孔溶液中のOH-イオン濃度は0.1M以下となり、その後の経時変化はわずかである。 (6)普通セメントの場合、細孔溶液中からの塩分の除去はフリーデル氏塩の生成によって行われるが、シリカフュームを混入する場合はフリーデル氏塩ではなく、他の機構による。 (7)普通セメントの場合、飽和食塩水に浸漬すると細孔溶液中のOH-イオン濃度は、Ca(OH)2のイオン濃度に相当する値まで低下する。 (8)外部からの塩分の浸透に対する抵抗性はシリカフュームを混入したセメントの方が大きい。また、練り混ぜ時に塩分を含まない方が大きい。 (9)細孔溶液の分析から、環境条件の関わる促進試験法を評価することが可能である。 |
PDFファイル名 | 009-01-1064.pdf |