種別 論文
主題 コンクリート中鉄筋における腐食速度の解析に関する一考察
副題
筆頭著者 関博(早稲田大学理工学部)
連名者1 山本英夫(小野田セメント)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 381
末尾ページ 386
年度 1987
要旨 1.序論
鉄筋コンクリート構造物の早期劣化の主な原因として、塩分による内部鉄筋の腐食問題いわゆる塩害が考えられている。塩分のコンクリートへの侵入として、海砂の使用による混入、飛沫帯における外部からの浸透などが挙げられ、鉄筋腐食による補修費が莫大となりつつあるのが現状である。近年、この問題に対して様々な研究が行われ補修方法や防食方法が考えだされている。また、腐食反応が電気化学的反応に基づいている点を利用して、非破壊でかつ短時間の測定法により腐食評価を可能にしようと研究も盛んに行われている。
本論では、腐食プロセスのモデル化を行いコンクリート中鉄筋の腐食速度を堆定し、腐食を評価することを目的としている。そして最後に塩害による鉄筋腐食の劣化限界の指標と見なせるひびわれ発生時間の数値解析を行った。

6.結論
本解析の範囲で明らかになった結果を要約すると以下の通りである。
(1)孔食化するにつれて、鉄筋の腐食速度は速くなる。
(2)飽和度が低い時は比抵抗が高いほど、飽和度が高い時は拡散係数が小さいほど、腐食速度を抑制することができる。
(3)W/C、飽和度を低くかつかぶりを大きくするほど、腐食発生を遅らせることができる。
(4)飽和度60%ではかぶりが増すにつれ、腐食形態が抵抗支配から酸素支配へと変化しており、腐食速度は他と比較して速い。
(5)飽和度が低い環境では、練り混ぜ時に塩分が混入されているとひびわれ発生時間は短くなる。
(6)海水中(飽和度100%)では、ひびわれ発生時間は一般に長いが、海水環境と考えられる飽和度60%〜80%の範囲では、ひびわれ発生時間は短く、設計時にW/C、かぶりに十分な配慮が必要である。
本研究では既往のデータより諸係数を決定し腐食過程のモデル化をすることにより、解析を行った。データの蓄積により諸係数の信頼性が高まり、電気化学的手法によりモデル化の妥当性が確かめられれば、より精度の高い腐食評価が可能と考えられる。
PDFファイル名 009-01-1067.pdf


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