種別 論文
主題 鉄筋コンクリート床版下面に施工した各種補修工法の効果
副題
筆頭著者 石橋忠良(JR東日本仙台工事事務所)
連名者1 北後征雄(JR西日本岡山保線所)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 429
末尾ページ 434
年度 1987
要旨 1.はじめに
鉄筋コンクリートラーメン高架橋の一部の床版下面(以下単に「スラブ」という)に鉄筋の腐蝕膨張に起因するかぶりコンクリートの剥落などの変状がみられるものがあり、これらは鋭意補修をおこなってきている。
現在のところ、鉄筋の断面減少は軽微で、直ちに列車の運転に支障するものではないが、鉄筋の腐蝕は徐々に進行していると考えられ、構造物の耐久性は低下しているといえる。変状が生じるのは、細骨材として用いた海砂に含まれている塩分の影響、かぶり不足、締め固め不良などによるコンクリートの品質不良などに起因すると考えている。
これらの変状に対して、現状では「ライニング工法」と呼ばれる、変状箇所の部分的な修繕と全面的なコーティングを併用した工法(図-1参照)で対処している。しかしながら、鉄筋のケレンが構造物の表面の側の露出面に対してしかおこなわれないこと、鉄筋の長手方向において補修した箇所と補修しない箇所が生じること、補修後もコンクリート内に塩分が残ることなどから、補修によって、腐蝕の進行を完全に抑制できるとは考えにくい。
本報告はライニング工法に使用する材料そのものの良否及び施工法(特に防水工の有無、はつり方)が補修効果に与える影響に着目して現場試験をおこない、補修工法を評価したものである。

5.考察
以上の結果から概ね次のことが言えよう。
(1)防水工を併用した場合も含め、補修したもののうち腐食が進行していると考えられるものがあり、スラブの変状対策としての現行のライニング工法は必ずしも完全であるとはいえない。
(2)腐蝕計を用いればコンクリート中の鉄筋の腐食がモニタリングできる。但し腐蝕計による電気抵抗の読みと実際の鉄筋の腐食の程度との相関については今後の課題である。
(3)自然電位の測定結果からは、全体のある部分が他の部分に比べて悪いといった判断はできるが、測定値そのものは殆ど意味を持たない。また、有機系の補修材料に対しては測定不能である。
(4)試験施工に先立ってフルオレッセンナトリウムによる塩分調査を実施したが、反応が明確には認められず、コンクリート中の材料に含まれた塩分に対しては有効とは言えなかった。
PDFファイル名 009-01-1075.pdf


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