種別 論文
主題 連続炭素繊維で補強したモルタルの力学的特性
副題
筆頭著者 古川茂(群馬工業高等専門学校)
連名者1 辻幸和(群馬大学工学部)
連名者2 大谷杉郎(群馬大学工学部)
連名者3 小島昭(群馬工業高等専門学校)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 453
末尾ページ 458
年度 1987
要旨 1.まえがき
炭素繊維補強セメント(CFRC)については、すでにセメントペーストまたはモルタルのマトリックス中に短炭素繊維を二次元あるいは三次元にランダムに配向させる方法により、曲げ強度や曲げタフネスを著しく改善できるなどの良好な研究成果が報告されている[1]〜[3]。また、連続炭素繊維を一次元に配置させたCFRCの力学的特性についても研究されている[4]〜[6]。CFRCの作製方法やその性状は、当然ながら、繊維の種類や品質、配置方法、混和材料の種類などによって相当に相違する。今後のコンクリートヘの炭素繊維の利用という見地からすれば、その使用量や配置方法を考慮したCFRCの力学的特性についての検討も必要と思われる。
本研究は、炭素繊維の使用量の減少に有効と思われる連続炭素繊維を用い、これの形態を変えてモルタル中に集中配置した連続炭素繊維補強モルタルを作製し、その曲げ強度、破壊曲げモーメントおよび曲げタフネスについて実験した結果を報告するものである。さらに炭素繊維の種類および供試体の寸法の影響についても検討した。

6.結論
連続炭素繊維を、容積比で最大0.4%(PAN系)あるいは0.7X(ピッチ系)程度まで用い、その配置方法を変えて集中配置した炭素繊維補強モルタルを作製し、曲げ強度および曲げタフネスについて行った実験結果を報告した。本実験の範囲内で次のことが言えると思われる。
1)連続炭素繊維をモルタル中に集中配置することにより、PAN系あるいはピッチ系のものを容積比でそれぞれ0.2%あるいは0.5%程度混入すれば、200kgf/cm2あるいはそれ以上の曲げ強度を得ることができる。
2)炭素繊維の形態としては、帯あるいは布に比べ作業性、破壊性状およびたわみ変形に優れた束としての使用が望ましい。
3)当然ながら、曲げ強度、破壊曲げモーメントおよび曲げタフネスとも、PAN系の繊維を用いた場合の方が、ピッチ系の繊維を用いた場合より大きいことを確かめた。
4)JCI法と最大荷重点法の2つの方法を用いて曲げタフネスを求めたが、PAN系織維を用いる場合は、変形量が大きいことから、両者間に相違が認められた。連続繊維を用いる場合には、曲げタフネスの算定に新な基準の検討が必要である。
5)連続炭素繊維を用いて曲げ引張破壊する場合には、鉄筋コンクリートと同様にして、曲げ引張破壊モーメントを求めることが可能である。
PDFファイル名 009-01-1080.pdf


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