種別 | 論文 |
主題 | フレッシュコンクリートのレオロジー定数の簡易推定方法 |
副題 | |
筆頭著者 | 谷川恭雄(三重大学工学部) |
連名者1 | 森博嗣(三重大学工学部) |
連名者2 | 筒井一仁(名古屋市役所) |
連名者3 | 黒川善幸(三重大学大学院) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 1 |
先頭ページ | 493 |
末尾ページ | 498 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.まえがき スランプ試験は、フレッシュコンクリートのコンシスデンシー試験方法の中で最も簡便で多用されている。しかし、近年、流動化コンクリート、繊維補強コンクリート、水中施工用コンクリートなどの実用化に伴い、従来のスランプ試験だけでは、施工時のコンクリートの流動・締固め特性を正確に予測することがきわめて困難な状況になっている。そのため、レオロジーの観点に立ち、フレッシュコンクリートの流動性を統一的に評価する試みが多くの研究者によって報告されている[1,2]。これらのほとんどの報告では、回転粘度計、平行板プラストメータ、球引き上げ粘度計などを用い、コンクリートをビンガムモデルと仮定した場合のレオロジー定教の測定を行っているが、本来上記の各種測定方法はコンクリートのレオロジー定数を測定する目的で開発されたものではなく、通常用いられる調合の範囲できえ同一の測定装置ではカバーできない場合が多い。また、上記の各種粘度計による測定方法は、要求される測定条件の確認や、場合によっては複雑な補正が必要になるなど、必ずしも簡便であるとはいい難い。 本研究では、現行の代表的なコンシステンシー試験方法であるスランプ試験とフロー試験の結果を用いて、フレッシュコンクリートおよびフレッシュモルタルのレオロジー定数を定量化する手法を提案し、この推定手法の妥当性を確認するため、球引き上げ粘度計による測定値との比較を行った。また、推定方法の適用例として、流動化モルタルの流動特性の経時変化に関するレオロジー的考察ならびに各種コンクリートのレオロジー定数の推定を行った。 6.まとめ 本研究では、現行の代表的なコンシステンシー試験であるスランプ試験およびフロー試験を拡張・複合して、フレッシュコンクリートおよびモルタルのレオロジー定数を推定する手法を提案し、その妥当性を確認するため、モルタルを用いた若干の実験を行った。また、本推定方法の適用例として、流動化モルタルの経時変化のレオロジー的意味、および各種特殊コンクリートのレオロジー定数について調へた。スランプ値やフロー値は試験法自身がもつ測定値のバラツキを包含しており、また、比較の対象となる解析値にもいくつかの仮定が導入されている。したがって、本推定方法によって得られるレオロジー定数は、あくまでも近似的な値である。しかし、既に提案されている各種粘度計と比較して、本手法は非常に簡便であり、各種調合のフレッシュコンクリートのコンシステンシー評価に充分適用できるものと思われる。 |
PDFファイル名 | 009-01-1088.pdf |