種別 | 論文 |
主題 | 大型コンクリートモデルによるASRひびわれの再現 |
副題 | |
筆頭著者 | 岡田清(京都大学工学部名誉教授) |
連名者1 | 中野錦一(大阪セメント研究所) |
連名者2 | 小野紘一(鴻池組土木本部) |
連名者3 | 松村誠(鴻池組土木本部) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 1 |
先頭ページ | 567 |
末尾ページ | 572 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.まえがき 関西地区で問題となっている反応性骨材の古銅輝石安山岩を用いて大型のコンクリートモデルを作成した。このコンクリートモデルを温度40℃、湿度100%の室内で約1年同保有したのち自然暴露の状態に約2年間さらしている。促進養生だけでは、実構造物に生じているようなひびわれを再現することはできなかったが、その後の自然暴露によってコンクリートモデルに発生したひびわれが既設の実構造物にASRによって生じているひびわれと酷似したものとなってきた。本報告は、これらのコンクリートモデルから得られた次のような情報について報告する。 (1)ひびわれの発生状況と超音波伝播速度 (2)コンクリートモデルの膨張量とその採取コアの膨張量 (3)ASR膨張におよぼす促進養生の効果 (4)フライアッシュおよび高炉スラグセメントのASR抑制効果 4.まとめ 反応性骨材を用い実物大をも含めた種々のコンクリート柱を作製し、約3年に渡る促進ならびに自然暴露実験を実施した。これより判明した点をまとめると、以下のようである。 (1)反応性骨材を用いた実物大供試体を促進貯蔵や自然暴露することによって、実構造物で生じているASRひびわれを再現できた。(2)ASRによる劣化は、自由端から進行し、ひびわれは鉄筋かぶりまでであるが、膨張は内部にもおよんでいる。(3)自然環境に暴露すると、膨張量はほぼ一定か収縮傾向にあるにもかかわらず、劣化は進行している。(4)コアの開放膨張量は、そのコアを採取した材令までに構造物が膨張した量に、コアの残存膨張量は、今後構造物に生じるであろう膨張量にほぼ匹敵するようであり、コアの膨張量測定は構造物のASRによる膨張をある程度推定できそうである。(5)コア採取位置によっては膨張量が異なるようであるので、この点は留意する必要がある。(6)防水処理およびフライアッシュセメント、高炉スラグセメントを用いるとASRが抑制されるようである。 |
PDFファイル名 | 009-01-1101.pdf |