種別 | 論文 |
主題 | アルカリシリカ反応における内部水分制御と抑制効果について |
副題 | |
筆頭著者 | 栗原正(ショーボンド建設(株)技術研究所) |
連名者1 | 片協清士(建設省土木研究所) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 1 |
先頭ページ | 573 |
末尾ページ | 578 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.まえがき 近年アルカリシリカ反応(以下ASRという)によって損傷を受けたコンクリート構造物の例が多く報告されることから、その補修対策すなわちASR抑制手段についての研究開発が活発化している。主に検討されている抑制手投は、補修部を塗布材で被覆して水分移動を制御し、内部自由水量をあるレベル内に維持してASR進行を低減させようとするものである。これについての実験確認はいくつか報告されているが、補修材の水分移動制御機能によって内部自由水量がどの程度に緩和され、又それがASR抑制にどの程度有効であるかについての定量的確認は、必ずしも十分になされているとは言えない。 本報告では、ASR補修材の促進養生下における内部水分量制御状況を、試験体の平均的自由水量と中心位置の局所的自由水量について調べより詳しく明らかにすると共に、その時に得られる抑制効果を膨張量について調べた(実験-II)。又、その促進養生環境(=乾湿繰り返し条件)では、アルカリを伴った水分移動が生じ、表層部でアルカリの濃縮・拡散が繰り返されてASRが促進される可能性があるため3)、必ずしも内部水分制御に応じた抑制効果が発現するわけでないと考えられることから、水分移動が頻繁でない恒湿度下で、予め内部自由水量と膨張量を関連付けておき(実験-I)、乾湿下における防水材の抑制効果がその時の内部水分量制御状況をどれだけ反映しているかについても調べた。 4.結論 内部自由水量の制御によりASR抑制は可能であり、S/C=2.25・アルカリ量1.2%の反応性モルタルでは、内部自由水量が7wt%程度以下に制御された時(=膨張量抑制レベル)、膨張性が抑制される。 今回の促進養生環境下では、防水材の遮水機能及び内部水分の揮散を妨げない機能による内部水分量制御効果によって、自由水量は膨張量抑制レベル近くまで制御され得る。又その時の膨張量はその水分量レベルに対応した範囲にまで抑制されると思われ、乾燥環境による影響によって抑制硬化が低減することはないようである。 |
PDFファイル名 | 009-01-1102.pdf |