種別 論文
主題 フェロニッケルスラグ微粉末のアルカリシリカ反応抑制効果
副題
筆頭著者 秋山淳(陸上自衛隊施設学校)
連名者1 山本泰彦(筑波大学構造工学系)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
9
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先頭ページ 603
末尾ページ 608
年度 1987
要旨 1.まえがき
著者らは、フェロニッケルスラグ(以下、スラグという)の一部がアルカリシリカ反応性を有し、カルシウム分の少ないガラス質の存在がその原因となっていることを明らかにしてきた[1][2]。また、反応性を有するスラグであっても、天然の反応性骨材の場合と同様な処置を講じれば、コンクリート用細骨材として利用できることも示した[2]。一方、反応性スラグのその他の活用方法としては、その反応性を積極的に利用する用途も考えられる。即ち、反応性スラグを微粉砕してコンクリート中に添加すれば、個々の微粉末粒子の反応が生じても、その反応による膨張の悪影響が分散されて小さくなると同時に、スラグ微粉末がアルカリ消費材としての役割を果たし、他の反応性骨材のアルカリシリカ反応を抑制する効果が期待できると予想されるのである。
本文は、スラグ微粉末の各種の反応性骨材に対するアルカリシリカ反応抑制効果を調べた結果について論じたものである。

4.結論
本研究の範囲内で以下のことが言えると思われる。
(1)アルカリシリカ反応性を有するフェロニッケルスラグを微粉砕し、セメントの一部と置換して用いれば、対象となる反応性骨材の種類によっては、スラグ微粉末がアルカリ消費材としての役割を果たし、高炉スラグ粉末やフライアッシユに劣らない反応抑制効果をもたらす。しかし、このような使用方法では、スラグ微粉末が潜在水硬性を有さないため、コンクリートの強度が低下する問題点がある。
(2)セメント量を一定に保ち、スラグ微粉末を骨材の一部と置換して用いれば、コンクリートの強度低下は避けられるが、この方法では十分な反応抑制効果は得られない。
(3)コンクリート中における高炉スラグ微粉末とフライアッシュのアルカリシリカ反応抑制機構は互いに相違しており、特に高炉スラグ微粉末の場合には、少量添加すると、反応による膨張を逆に増大させる場合もある。
(4)アルカリ骨材反応を抑制する混和材に対するASTM C 441の規格値は非常に厳しく現実的ではない。
PDFファイル名 009-01-1107.pdf


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