種別 | 論文 |
主題 | 大型供試体によるマスコンクリート実験とその解析 |
副題 | |
筆頭著者 | 今枝靖典(名古屋大学大学院) |
連名者1 | 畑中重光(名古屋大学工学部) |
連名者2 | 田辺忠顕(名古屋大学工学部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 2 |
先頭ページ | 25 |
末尾ページ | 30 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.序論 マスコンクリートの温度応力に関する研究は、過去十年間特に大きな進歩をみせ、温度応力発生メカニズムの実態が、明らかにされつつある。各種の解析法、また供試体実験も多大な数にのぼっている。 しかし、得られた知見の精度はどうかとなると、やはりまだ幾つもの問題が残されていると言えよう。有限要素解析(境界要素法なども含めて)は現在考えられる最も精度のよい解析方法と言え、その解析例も数多いが、それによって行われた解析で同一試験体の同一部の応力とひずみの両方を、実験値と比較して十分な一致をみた研究例はまだ公表されてないと言えよう。まして温度変形に関する研究例は、実験値も殆どなかったのが現状である。 過去の研究例は、ひずみのみ、しかも一局部のひずみのみを実測して解析したか、あるいは応力のみを実測し解析したか、そのいずれかが大半を占めているのである。 もし応力とひずみの両方を実測し、いずれか一方のみを解析値と一致させたら、他方の値は解析値と合わない、更に応力、ひずみ、変位の三量を実測し二量は解析と合うが一量が解析と合わないと言うのであれば、我々は十分に現象を理解したとはいい難いであろう。しかし、温度応力研究の現状は未だその域を脱していないと考えられるのである。 そこで本研究の目的とするところは、応力、ひずみ、変位をそれぞれ独立に実測し、その三量を従来から使用してきた有限要素モデルで、どの程度までシュミレートできるかを試み、そのモデルの正当性を確かめるところにある。 5.まとめ 本研究で対象とした試験体は、打継面にはく離やすべり、更に中心断面での温度クラックが生じ、これらの各種不連続変位を有する複雑挙動を持った試験体となった。しかし、マスコンクリート構造物の実体は、実はこの試験体に代表されるように特性の異なった各種の不連続性を有する構造体であることが示されたわけで、その解析は、これらの不連続量を適切に表現しうるものでなくてはならないことが判明した。又、本解析手法の結果によるとクラック要素でのバネ定数、コンクリートの線膨張係数、地盤も含めた弾性係数を適切に定めることにより応力、ひずみはもとより、変位までも定量的にある程度まで表しうることができると思われた。勿論、実測ひずみの信憑性、水平打継面のせん断、鉛直剛性など、更に今後の検討を要する問題が残されている。 本研究の解析を行った試験体の他に、類似の試験体の実験は既に終了しており、これらに対する解析を行って問題点の解明をはかっていくつもりである。 |
PDFファイル名 | 009-01-2005.pdf |