種別 論文
主題 圧縮力とせん断力とを交互に受ける鉄筋コンクリート柱の耐荷性能
副題
筆頭著者 池田尚治(横浜国立大学工学部)
連名者1 椿龍哉(横浜国立大学工学部)
連名者2 山口隆裕(横浜国立大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 133
末尾ページ 138
年度 1987
要旨 1.緒言
鉄筋コンクリート柱(以下RC柱と記す)は、一般に圧縮耐力は大きいと考えられており、またRC柱のせん断抵抗や曲げ抵抗は軸圧縮力が作用していると通常は増大することも知られている。しかしながら、宮城県沖地震やメキシコ地震などの大地震では耐震設計された鉄筋コンクリートの構造物が倒壊したりして大被害を受けたのである。これらの大地震による鉄筋コンクリート構造材の倒壊等の大被害は、一般に柱の破壊に依って生じている。本来、圧縮耐力の大きいRC柱が現実には地震時にせん断ひび割れ面に沿って圧縮破壊していることは、圧縮力と水平力が相互にRC柱に悪影響を及ぼし合っていると考えざるを得ない。このような破壊は、単に圧縮力と水平力との組合せ応力に関する相関図を考えるだけでは不十分なことを示すものであり、圧縮力と水平力との組合せを種々の角度から検討することが重要であると考えられる。
そこで、本研究では曲げモーメントやせん断力によってRC柱に生じたひび割れ等の損傷が部材の圧縮耐力にどのように悪影響を及ぼすのかについて実験的に研究を行ったものである。

5.結論
実験結果から、部材の耐荷性能は載荷方法によって大きく異なることが認められた。
鉄筋コンクリートラーメンの柱部材のように地震時に種々の組合せ荷重を交互に受けるような部材の地震時の耐力の評価に関しては交互載荷の影響を十分に考慮する必要があると思われる。耐荷挙動の定量的な評価が困難であることを考えれば実用的には、柱部材に斜めひび割れが発達しないようにフープ筋を十分に配置することが必要と思われる。その量としては、昭和55年版のRC示方書の算定式を準用して求めるのがよいと考えられる。特に今回改訂の限界状態設計方に基ずくRC示方書では、軸圧縮力の増大とともにせん断耐力も大きく評価しているが軸圧縮力と水平力とが交互載荷される場合についてはまったく考慮されていないことに注意する必要がある。
また、地震時のRC柱の許容最大応答変位は、圧縮耐力を保持する必要から降伏変位の4倍程度以内に収めるのが望ましいと思われる。
PDFファイル名 009-01-2023.pdf


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