種別 | 論文 |
主題 | 高軸力下での鉄筋コンクリート造短柱の耐震性能 |
副題 | |
筆頭著者 | 周小真(西安治金建築学院建工系) |
連名者1 | 佐藤稔雄(日本大学理工学部) |
連名者2 | 小野新(日本大学理工学部) |
連名者3 | 清水泰(都立大学工学部) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 2 |
先頭ページ | 139 |
末尾ページ | 144 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.はじめに 中国の重工業用工場はクレーンの支柱を兼ねるため往々にして大きな軸力を受ける事が多く、また、中高層ビルの外柱等は地表時に過大な軸力を受ける可能性がある。軸方向力を主要な変動因子とした鉄筋コンクリート造短柱に関する既往の実験結果を見ると、曲げ耐力とせん断耐力は軸力比の増加に伴って上昇し、逆に靭性能は減少して行く傾向が見られる。筆者等が行なった実験では軸力比の比が0.7を超えると多くの試験体で高圧せん断破壊を生じ、その際に主筋は座屈して、通常のフープ状に配筋されたせん断補強筋は定着部で破壊する傾向が見られた。[1,2] 本論文は以上の事項を考慮したもので、高軸力柱の補強方法として高強度スパイラル筋の利用を考えこれを高軸力柱試験体に単角スパイラルや複合スパイラル状に配筋し、その効果を実験により確認した結果をまとめたものである。スパイラル筋は通常のフープ状配筋に比較して定着部の破壊を押さえるのに有効で、さらに拘束効果が高い事が知られており高軸力柱のせん断補強として有効であろうと思われる。実験はシアスパン比(M/QD)と軸方向力(N)を主要変動因子として、軸力比(η。=N/BDFc)が0.2から0.4を超え1.0に至る迄の高軸力の範囲の実験を行ない、柱の曲げ耐力やせん断耐力、靭性能に関してスパイラル筋の補強効果を検討した。 6.まとめ 高軸力を受ける鉄筋コンクリート造柱を高強度スパイラル筋で補強した際の補強効果に関して実験を行なった結果、以下の事が指摘出来た。 a)複合スパイラル筋による補強方法は高軸力を受ける柱の脆性破壊を防止するのに有効であった。本実験では複合スパイラル筋で補強した試験体の塑性率は、通常のフープ状配筋による補強のものより2〜4倍の値となった。b)破壊モードについては、複合スパイラル筋で補強した試験体はシアスパン比1の試験体で高軸力を受けるものでも、せん断破壊をせずに曲げ圧縮破壊となり、R=1/25の繰り返し加力でも軸力の保持が可能であった。c)ひび割れ発生荷重や最大耐力の値は補強方法によらなかった。d)実験場と既往の算定式による計算値と比較をした結果、ひび割れ強度は良い適合性を示したが、最大耐力に関してはバラツキが大きく、余り良い適合が見られなかった。切断法による解析結果は曲げ破壊した試験体に対してよい適合性がみられた。 |
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