種別 論文
主題 補修した鉄筋コンクリート部材の力学的特性に関する研究
副題
筆頭著者 長瀧重義(東京工業大学工学部)
連名者1 岡本享久(東京工業大学工学部)
連名者2 中井暁夫(東京工業大学工学部)
連名者3 鈴木智郎(日本鋼管土木建築技術部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 257
末尾ページ 262
年度 1987
要旨 1.まえがき
本研究は劣化した部分をはつりとり、この部分に補修材を充てんしたRC部材の力学性状を明らかにすることを目的としたものである。はじめに、補修材の種類、旧コンクリートの接着面の表面の処理方法を変え、接着面と旧コンクリートとの接着強度をせん断強度試験により、接着面の耐久牲を耐凍結融解試験と耐熱試験によって評価した。次いで、曲げ破壊を対象としたはりを製作し、はりの曲げ引張部の補修箇所の厚さおよび長さ、補修材の種類および旧コンクリートの接着面の処理方法を変えて載荷拭験を実施し、補修したはりの曲げ挙動について考察するとともに、補修後の曲げひびわれ幅の予測について解析を行い、この種部材の合理的な補修方法の確立のための基礎資料を得ようとするものである。

5.結語
本研究の範囲内で以下のような結論が得られた。
(1)補修材と旧コンクリートの接着強度は、補修材の種類より旧コンクリートの接着面の仕上げの影響を大きく受ける。すなわち、接着面の凹凸の分布とその深浅の程度により、接着強度が決まる。
(2)補修材と旧コンクリートの接着面の耐久性は、レジンコンクリートが最も弱く、ポリマーセメント系コンクリートおよび早強コンクリートでは300サイクルをすぎても耐熱性、耐凍結融解性は十分に認められた。
(3)曲げ引張部を断面修復したRCはりの接着面には曲げひびわれ発生と同時に局部的なずれが生じ、このずれはその後のひびわれ伸展状況に影響を与える。
(4)曲げ引張部を断面修復したRCはりのひびわれ挙動、降伏耐力および最大耐力は補修材の寸法、補修材の種類さらには修復時に鉄筋に応力が作用しているか否かの影響を受けず、同一であった。この修復時に鉄筋に応力が作用しているか否かの影響は補修後のはりの曲げ剛性、曲げひびわれ耐力に影響を与えた。従って、この種の補修方法に関する材料の選定を行うこと目的とした室内実験として、鉄筋に応力を作用させずに補修し載荷する方法が簡単で有力な手段として用いられる可能性が示された。
(5)曲げ引張部を断面修復したRCはりのひびわれ解析に当り、鉄筋と補修材、補修材と旧コンクリートの付着・すべり関係を考慮し、釣合いおよびひずみの適合条件により求めた本解析は設計荷重作用時のこの種部材のひびわれ幅、ひびわれ間隔を推定することが可能である。
PDFファイル名 009-01-2044.pdf


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