種別 論文
主題 せん断スパン比の小さいRCはりのせん断補強効果について
副題
筆頭著者 石橋忠良(JR東日本)
連名者1 斉藤啓一(鉄道総合技術研究所)
連名者2 寺田年矢(鉄道総合技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
9
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先頭ページ 311
末尾ページ 316
年度 1987
要旨 1.まえがき
鉄筋コンクリートはり(以下はりという)のせん断耐力の算定手法について、せん断補強鉄筋を用いない場合で、せん断スパン比(以下a/dという)が3以上では、岡村らの研究により、精度の良い耐力算定式がすでに提案されている[1]。また、a/dが3以下の場合においても、二羽および国鉄の研究があり、それぞれ算定式が提案されている[2][3]。一方、せん断補強鉄筋を用いたはりのせん断耐力算定については、現在トラス理論を基本とした手法によるのが一般的である。しかし、PaivaやKongらの研究があり、耐力算定手法も提案されている[4][5]。
筆者らも、a/dの小さい領域(以下a/dが2.5程度以下を指して、a/dの小さい領域という)のはりのせん断補強の一つの方法として、はりの腹部の中段に軸方向鉄筋を多段に配置した模型供試体の載荷実験により、これらの軸方向鉄筋がせん断耐力におよぼす影響について調査を行った。そして、また、軸方向鉄筋よりもせん断補強には効果的と思われる折曲げ鉄筋を配置した場合の実験を併せて行った。
本報告は、a/dの小さい領域のはりの効果的なせん断補強方法を明らかにすることを目的として、実験的研究により腹部の中段に軸方向鉄筋を多段に配置した場合ならびに折曲げ鉄筋を配置した場合の、はりの破壊性状およびせん断耐力算定手法について明らかになった事項を以下に述べるものである。

4.まとめ
a/dの小さい領域のはりのせん断補強として、腹部の中段に軸方向鉄筋を配置した場合および折曲げ鉄筋を配置した場合のはりのせん断破壊性状およびせん断耐力算手法について得られた主な結果を以下に示す。
(1)せん断破壊性状について
タイプAで腹部の中段に軸方向鉄筋を一段のみ配置したかぶり部分が大きいはりでは、はりの下縁付近に軸方向鉄筋を配置した通常のはりの場合のひびわれ発生状況とは異なるようである。しかし、せん断破壊ははりの下縁付近に軸方向鉄筋を配置した場合と同様に、支点と載荷点とを結ぶ面で生じているようである。
タイプBでははりの中央部に突起を設けた逆T型のはりの形状としているが、本実験でのこのようなはりにせん断補強として折曲げ鉄筋を配置した場合には、いずれの供試体も支承板端部と突起側面とはりの上面との交点とを結ぶ面が破壊面となるようである。
(2)せん断耐力算定手法について
i)腹部の中段に軸方向鉄筋を一段のみ配置した場合およびはりの下縁付近と腹部の中段に軸方向鉄筋を多段に配置した場合のせん断耐力は式(1)によるが、その適用については式(1)中の各パラメーターについて、3.2.1のア)〜エ)とすることで求められるようである。
ii)折曲げ鉄筋を配置した場合のはりのせん断耐力は式(5)によるが、その適用にあたっては、折曲げ鉄筋のせん断補強効果を部材軸方向成分については式(6)により、鉛直成分については式(7)によることで求められるようであると思われる。
PDFファイル名 009-01-2053.pdf


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