種別 論文
主題 曲げ降伏後にせん断破壊するRC部材の破壊メカニズムに関する考察
副題
筆頭著者 檜貝勇(山梨大学工学部)
連名者1 二羽淳一郎(山梨大学工学部)
連名者2 岡村雄樹(山梨大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 329
末尾ページ 334
年度 1987
要旨 1.まえがき
鉄筋コンクリート橋脚のように比較的スレンダーで軸方向鉄筋比の小さい部材は、強震時に作用するような塑性域に達する大変位の繰返しによって脆性のせん断破壊を生ずる場合が多いことは多くの研究者によって確かめられている[1]。また、このような破壊を生ずる部材の靭性を定量的に把握しようとする研究も近年活発に行われている[2]。筆者らは数年間にわたって曲げ降伏後におけるRC部材のせん断破壊に関する研究を実施して来たが、この種の破壊を防止するためにはその破壊挙動、破壊メカニズムを明らかにすることが必要不可欠であるとの認識を得ている。建築構造物の短柱のせん断破壊に関する研究はこれまでにも多く行われており、その破壊モードに関する検討もなされているが、建築物の短柱とRC橋脚ではせん断スパン比、軸方向鉄筋比などの構造諸元がかなり異なっており、したがって主要な破壊のモードにも大きな相違が認められる。本論文は、RC橋脚をモデル化した片持ちはり型の供試体を用いて行なった大変位の繰返し載荷試験の結果に基づいて、この種の部材におけるせん断破壊のメカニズムを考察しようとするものである。

7.結論
本研究の結果から得られた結論は以下のとうりである。
(1)軸力の作用しないRC部材の曲げ降伏後におけるせん断破壊の形態は、せん断スパン比、軸方向鉄筋比、腹鉄筋比の大きさによって複雑に変化するが、その破壊メカニズムは図4のように考えることができるものと思われる。
(2)腹鉄筋を配置したRC橋脚のせん断破壊時の靭性は、式(1)で求めた腹鉄筋が無い部材の靭性率に、式(3)によって求めた腹鉄筋による靭性率の増加量を加えることによって推定することが可能である。
(3)せん断破壊形態が変化する限界のせん断スパン比、軸方向鉄筋比、腹鉄筋比の値について、また、破壊形態の変化が部材の靭性率におよぼす影響については今後の検討が必要である。
PDFファイル名 009-01-2056.pdf


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