種別 | 論文 |
主題 | 側方鉄筋を有する鉄筋コンクリート部材のせん断耐力および変形能 |
副題 | |
筆頭著者 | 睦好宏史(埼玉大学工学部) |
連名者1 | 町田篤彦(埼玉大学工学部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 9 |
号 | 2 |
先頭ページ | 335 |
末尾ページ | 340 |
年度 | 1987 |
要旨 | 1.序論 鉄筋コンクリート(以下RC)構造物あるいは部材の靭性能をとり入れた耐震設計法が合理的であることは既に認められており、土木および建築分野ともに、何らかの形で構造部材の靭性が耐震設計法にとり入れられている[1,3]。土木分野では、昭和61年に改訂されたコンクリート標準示方書の耐震設計の項では、地震時の安全性および地震後に要求される構造物の性能に基づいて、構造物にある程度の損傷を考慮して、設計震度を定める方法が用いられており[2]RC部材の靭性評価は、より一層必要不可欠なものとなってきている。 RC部材の終局変形能に関する研究はこれまで数多く行われてきたが、その多くは、梁部材とほぼ同じ配筋方法、すなわち、圧縮および引張部にのみ主鉄筋を配したものであった。しかし、地震力が問題となる実際のRC横造物は、圧縮および引張部以外にも主鉄筋を配筋する場合(側方鉄筋)が一般的である。しかし、側方鉄筋を有するRC部材のせん断耐力あるいは側方鉄筋が終局変形能におよぼす影響等を詳細に扱った研究は極めて少ないのが現状である。 本研究は、側方鉄筋を有するRC部材の終局せん断耐力の算定法について検討し、さらに側方鉄筋が部材の終局変形能におよぼす影響を実験的に明らかにしようとしたものである。 6.結論 (1)側方鉄筋を有するRC部材のせん断耐力および曲げ耐力は、側方鉄筋の増加にともなって両者共に上昇するが、曲げ耐力における上昇率の方がせん断耐力のそれよりも大きいことが認められた。また、側方鉄筋を有する部材のせん断耐力は、中立軸より引張側にあるすべての軸方向鉄筋を引張鉄筋として、既往のせん断耐力算定式を用いて求めることが可能である。 (2)側方鉄筋を配することによって、部材の靭性率は減少することが確認された。これは、側方鉄筋を配することによって、曲げ耐力に対するせん断耐力の比が小さくなるからである。また、側方鉄筋を有するRC部材の靭性率を推定する式を提案した。その結果、側方鉄筋の有無に拘わらず高い精度で靭性率を算定することが可能となった。 (3)側方鉄筋を増やしていくに従い、靭性率は減少していくので、ある靭性率を確保するためには、側方鉄筋の量に応じた帯鉄筋量を配することが必要である。 |
PDFファイル名 | 009-01-2057.pdf |