種別 論文
主題 高層耐震壁の耐力と変形能力に関する実験的研究
副題
筆頭著者 壁谷澤寿海(横浜国立大学工学部)
連名者1 阿部洋(竹中工務店)
連名者2 橋場久理子(横浜国立大学大学院)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 379
末尾ページ 384
年度 1987
要旨 1.序
高層鉄筋コンクリート壁フレーム構造に終局型設計法を適用する場合、耐震壁に十分な靭性を確保し、予想される終局時せん断力に対して十分な安全率をもってせん断破壊しないようにすることか重要である。曲げ降伏型に設計された耐震壁では、せん断破壊は一定の壁脚モーメントに対するせん断力の上昇、即ちシアスパン比の変動によって起こると考えるべきである。一方、脆性的な破壊モードとして圧縮側壁脚及び柱脚の圧壊が支配的になることか予想されるので、側柱のコアコンクリートを有効に拘束し、十分な靭性を確保しうる適切な配筋をする必要がある。
本研究は、25層RC造集合住宅に壁フレーム構造を適用した実施設計に基づき、連層耐震壁最下層3層を約1/4のスケールで取り出した試験体を用いて、構軸力下において繰返し静加力実験を行なったものである。シアスパン比を変動させて脆性的な破壊に至らせる加力方法により、変形能力および曲げ降伏後のせん断耐力(せん断破壊が起こるシアスパン比)を明らかにすることを意図した。また、側柱の横補強筋量あるいは柱面積をパラメーターとして、配筋設計の資料を得ることも目的とした。非線形地震応答解析による応答レベルとも比較検討した。

5.まとめ
(1)変形部材角R=1/50の繰返し加力まで、試験体W1・W2はシアスパン比M/QL=3.0〜1.5、試験体W3・W4はシアスパン比M/QL1.5〜1.25のせん断力レベルで、同様に安定した挙動を示し、いずれの試験体もR=1/50、M/QL=1.0の繰返し加力で、壁板の斜め圧壊による脆性的な破壊をした。これにより耐力はやや低下したものの、軸力は十分保持し安定していた。
(2)側柱のせん断補強筋量の割り増しは、側柱柱脚部のカヴァコンクリートの剥離、剥落、柱主筋の座屈等の破壊を低減させた。
(3)壁長さが長く、転倒モーメントに対して高いレベルの圧縮側反力が要求される試験体W3、W4でも、側柱柱脚の著しい破壊は認められず、安定した挙動を示した。
(4)非線形地震応答解析による最大応答のレベルと実験結果を比較し試設計された壁フレーム構造の耐震性を判定すると、せん断力レベル、変形レベルとも実験結果が、上回っており耐力的にも靭性にも十分に安全であるといえる。
PDFファイル名 009-01-2065.pdf


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